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ローカル完結のWebページ翻訳機能を搭載した「Firefox 118」が正式版に、ただし……

脆弱性の修正は9件

「Firefox」v118.0

 Mozillaは9月26日(米国時間)、デスクトップ向け「Firefox」の最新版v118.0をリリースチャネルで公開した。「Firefox 118」では、ローカルで処理が完結するWebページの翻訳機能が導入されている。

ローカルで処理が完結するWebページの翻訳機能

 翻訳機能はモダンブラウザーにとって当たり前の機能となりつつあるが、どれもGoogleをはじめとするビッグテックが提供するオンラインサービスを利用する仕組みになっている。そのため、翻訳したいコンテンツの内容がサーバー側に筒抜けになってしまうのではないかという懸念は否めない。「Vivaldi」のように自前で翻訳サーバーを用意することでこれを回避しようとする取り組みもあるが、そもそも「Vivaldi」を信用できるのかという問題は残る。

 その点、「Firefox 118」で採用されたローカル翻訳機能ならば心配は無用。何を翻訳しているのかが外部に漏れることはない。デメリットは翻訳のためのコードとデータをすべてローカルで持っておかなければならない点だろう。対応言語が少ないのも克服すべき課題で、今のところ日本語を扱うことはできない。

日本語には未対応

 そのほかにも、本バージョンでは以下の変更が加えられている。

  • 「Web Audio」でフィンガープリント(情報の断片を集めて個人を特定しようとする技術)対策を強化。すべてのシステムで「FDLIBM」数学ライブラリを使用するように
  • プライベートブラウジングウィンドウでのフォントフィンガープリントを軽減するため、Webサイトから見えるフォントをシステムフォントと言語パックのフォントに限定
  • 「Google Meet」でビデオ効果と背景ぼかしが利用できるように(「Firefox 115」シリーズにまでさかのぼって対応)
  • 「Firefox Suggest」(米国でのみ提供中)を強化。アドレスバーにキーワードにマッチするアドオン候補を表示できるように

 セキュリティ関連の修正は、9件。深刻度の内訳はMozillaの基準で上から2番目の「High」が6件、2番目の「Moderate」が2件、最低の「Low」が1件となっている。アプリのクラッシュやメモリリーク、解放後メモリ利用などが対処されており、できるだけ早いアップデートをお勧めする。

 デスクトップ版「Firefox」はWindows/Mac/Linuxなどに対応する寄付歓迎のフリーソフトで、現在MozillaのWebサイトからダウンロード可能。Windows版はWindows 10/11に対応しており、窓の杜ライブラリからもダウンロードできる。