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Mozilla、ローカル翻訳アドオン「Firefox Translations」を公開

クラウドを使わないため、プライバシーが保たれる

Mozilla、ローカル翻訳アドオン「Firefox Translations」を公開

 Mozillaは6月2日(現地時間)、ローカルで動作するWebサイト翻訳アドオン「Firefox Translations」をリリースした。欧州連合(EU)が資金提供する「Project Bergamot」の一環として開発されたという。

 本拡張機能の長所は、翻訳するテキストが一切クラウドへ送信されないことだ。翻訳エンジン、言語モデル、ページ内翻訳アルゴリズムなどがすべてローカルで実行されるように設計されているため、プライバシーを気にせず利用できる。

 最近はビッグテックにプライベートな情報を与えないよう、自社提供の翻訳サービスをビルトインするWebブラウザーも出てきている。しかし、そうしたサービスも多くはクラウドベースで、送信したデータが適切に扱われるとは限らない。その点、翻訳処理がすべてローカルで完結するのであれば、情報の流出や不適切な利用を心配する必要はなくなる。

 そのほかにもWebフォームを翻訳するオプションを搭載しており、ユーザーが自分で訳したテキストを再度チェックしたい場合に便利。また、信頼度の低い翻訳を自動的にハイライトするオプションも用意されており、誤訳の可能性のある部分を視覚的にわかりやすく表示できる。

ドイツ語のWebページを英語に翻訳した様子。翻訳処理はローカルで完結するので、どのWebページ、どんな内容を翻訳したかが外部に漏れることはない

 残念な点は、今のところ日本語には対応していない点だ。現在のところ、プロダクションレベルでサポートされているのは以下の言語となっている。

  • スペイン語⇔英語
  • エストニア語⇔英語
  • 英語⇔ドイツ語
  • チェコ語⇔英語
  • ブルガリア語⇔英語
  • ノルウェー語(ブークモール)⇔英語
  • ポルトガル語⇔英語
  • イタリア語⇔英語

 また、ベータ版として以下の言語の翻訳が可能だ。

  • ロシア語⇔英語
  • ペルシア語(ファールシー)⇔英語
  • アイスランド語→英語
  • ノルウェー語(ニーノシュク)→英語

 「Firefox Translations」は現在、「addons.mozilla.org」(AMO)から無償でダウンロード可能。編集部にて「Firefox 101」で動作を確認している。