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「Firefox 135」が正式版に ~内蔵のローカル翻訳が「日本語から」に対応
セキュリティ関連の修正は11件
2025年2月5日 08:03
Mozillaは2月4日(米国時間)、デスクトップ向け「Firefox」の最新版v135.0をリリースチャネルで公開した。「Firefox 135」では、「Firefox Translations」の対応言語が拡大。日本語、簡体字中国語、韓国語のページが翻訳できるようになったほか、ロシア語を翻訳対象言語として選択できるようになった。
「Firefox Translations」は、「Firefox」に内蔵されている翻訳機能。もとは拡張機能だったが、「Firefox 118」からWebブラウザー本体に統合された。
最大のメリットは、翻訳処理がローカルで完結すること。翻訳したいコンテンツの内容がサーバー側に筒抜けになってしまう心配がない。ただし、対応言語が欧米語に限られ、日本語では利用できないのがネックだった。
「Firefox 135」ではこの問題が緩和され、“翻訳元”言語として日本語などが選べるようになった。つまり、非日本語ユーザーがCJK(日中韓)コンテンツを自国語に翻訳したいときに役立つ。ただし、日本語ページを閲覧していてもタイトルバーに翻訳ボタンは現れないようで、選択テキストの右クリックメニューから翻訳を行う必要がある。
また、日本語を“翻訳先”言語として選ぶことは今のところできない。つまり、英語コンテンツを日本語に訳した場合には使えないが、日本語コンテンツを英語などに翻訳したい場合には役立つ。
そのほかにも、「Firefox 135」では以下の新機能や改善が行われている。ただし、一部の環境から段階的に展開する「プログレッシブロールアウト」に指定された機能も含まれており、「Firefox 135」にアップデートしてもすぐに利用できるようになるとは限らない点には注意したい。
- クレジットカードの自動入力機能が世界展開(プログレッシブロールアウト)
- AIチャットボット。「Firefox Labs」またはサイドバーから選択できる(プログレッシブロールアウト)
- 証明書の透明性(Certificate Transparency)を強制。証明書の誤発行を防止し、悪意がないかを監視する
- 「CRLite」証明書失効チェックメカニズム(プログレッシブロールアウト)
- Webサイトが閲覧履歴APIを悪用して過剰な履歴エントリを生成するのを防止する措置を導入
- macOS/Linux環境で、複数のタブを開いているときに終了キーボードショートカットを使用した場合、現在のタブのみを閉じるオプションを提供
- 米国ユーザ向けに提供中の新しい「New Tab」レイアウトがニュース機能「Stories」を利用できるすべての国に展開(プログレッシブロールアウト)
- [サイト追跡を除いたリンクをコピー]コマンドは[Copy Clean Link]に
- LinuxバイナリをBZ2形式ではなくXZ形式で提供。アンパックが高速化され、ファイルサイズが小さく
セキュリティ関連の修正は、11件。深刻度の内訳はMozillaの基準で4段階中上から2番目の「High」が4件、3番目の「Moderate」が5件、最低の「Low」が2件となっている。任意コードの実行やアプリのクラッシュなどにつながる可能性があり、できるだけ早いアップデートが必要だ。
デスクトップ版「Firefox」はWindows/Mac/Linuxなどに対応する寄付歓迎のフリーソフトで、現在MozillaのWebサイトからダウンロード可能。Windows版はWindows 10/11に対応しており、窓の杜ライブラリからもダウンロードできる。