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「Windows Subsystem for Linux」v2.0.5、試験的ネットワーク機能が「WSL2」の正式機能に

プレリリース版、「Microsoft Store」から更新可能

「Windows Subsystem for Linux」v2.0.5

 米Microsoftは10月21日(日本時間)、プレリリース版「Windows Subsystem for Linux」v2.0.5を公開した。v2.0.0で導入された試験的機能の一部が、「WSL2」の正式な機能へと格上げされている。

 「Windows Subsystem for Linux」(WSL)は、Windows上でLinuxディストリビューションを動作させる仕組み。当初はWindowsに内蔵されていたが、現在はOSとの分離が進められており、「Microsoft Store」からのインストール・アップデートも可能だ。プレリリース版は「Windows 11 Insiders Preview」ビルド(Dev)で動作を確認している。

 v2.0.5で「experimental」が外れた設定は、以下の4つ。いずれもネットワークに関するものだ。

  • experimental.networkingMode:NATに代わる新しいネットワーキングアーキテクチャー「Mirrored」を有効化。IPv6対応、LANからWSLへの直接接続、VPNネットワークとの互換性向上、マルチキャストのサポートといったメリットがある
  • experimental.dnsTunneling:WSL VMからWindowsホストへ送信されるDNSネットワークパケットが、既存のネットワーク構成によってブロックされる問題を解決
  • experimental.firewall:WSLに適用されるWindows ファイアウォールのルールを指定
  • experimental.autoProxy:HTTPプロキシを使用する際のネットワークの互換性を向上

 正式化された設定はそれぞれ「experimental」の部分が「wsl2」に変更される。たとえば、「experimental.networkingMode」の場合、新しい設定は「wsl2.dnsTunneling」となる。後方互換性を維持するため、「experimental」設定も引き続きサポートされる。

 そのほかにも、カーネルやLinux GUIアプリを動かす「WSLg」のアップデートが実施された。執筆時の最新版は本日付けでリリースされたv2.0.6で、「MSRDC」や「Microsoft.Direct3D.Linux」が更新されている。間もなく「Microsoft Store」にも掲載されるだろう。