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「Windows Subsystem for Linux」がv2.0.0に、多数の試験機能を追加

「Microsoft Store」から入手可能

公式ブログ「Windows Command Line」でのアナウンス

 米Microsoftは9月19日(日本時間)、「Windows Subsystem for Linux」の2023年9月アップデートを発表した。バージョンナンバーも「2.0.0」に繰り上げられている。

 「Windows Subsystem for Linux」(WSL)は、Windows上でLinuxディストリビューションを動作させる仕組み。当初はWindowsに内蔵されていたが、現在はOSとの分離が進められており、「Microsoft Store」などで配布されている。

 「WSL」v2.0.0では、ユーザーが自らのワークフローに合わせてパフォーマンスの調整と体験のカスタマイズを行えるよう、いくつかの実験的機能が導入された。これらはOSのホームディレクトリにある「.wslconfig」ファイルを編集することで有効化可能。

  • autoMemoryReclaim:5分間アイドル状態になると、WSLはLinuxにキャッシュされたメモリを徐々に解放し始める。つまり、Windowsホストで利用できるメモリが増える
  • sparseVhd:有効化すると、WSLの新規仮想ハードディスク(VHD)はスパースVHDになる。サイズが自動で縮小される
  • networkingMode:NATに代わる新しいネットワーキングアーキテクチャー「Mirrored」を有効化。あくまでも試験的実装のためまだ不具合がある可能性があるが、IPv6対応、LANからWSLへの直接接続、VPNネットワークとの互換性向上、マルチキャストのサポートといったメリットがある。「Windows 11 Insiders Preview」ビルド(Release Previewを含むすべてのチャネル)でのみ利用可能
  • dnsTunneling:WSL VMからWindowsホストへ送信されるDNSネットワークパケットが、既存のネットワーク構成によってブロックされる問題を解決。「Windows 11 Insiders Preview」ビルド(Release Previewを含むすべてのチャネル)でのみ利用可能
  • firewall:WSLに適用されるファイアウォール設定とルールを指定。「Windows 11 Insiders Preview」ビルド(Release Previewを含むすべてのチャネル)でのみ利用可能
  • autoProxy:HTTPプロキシを使用する際のネットワークの互換性を向上。「Windows 11 バージョン 22H2」でのみ利用可能

 そのほかにもいくつかの重要な不具合が修正されているとのこと。

 「WSL」のバージョンは「wsl.exe --version」コマンドで確認可能。このコマンドが失敗する場合は、古いOS同梱版が用いられている。最新版を利用したい場合は、「Microsoft Store」からスタンドアロンパッケージを入手するとよい。編集部にて「Windows 11 Insiders Preview」ビルドでv2.0.0が利用できることを確認している。

「WSL」のバージョンは「wsl.exe --version」コマンドで確認可能