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今年最初の「Windows Update」が実施、CVE番号ベースで49件の脆弱性へ新たに対処
深刻度が最高の「Critical」は2件
2024年1月10日 08:45
米Microsoftは1月9日(現地時間)、すべてのサポート中バージョンのWindowsに対し月例のセキュリティ更新プログラムをリリースした(パッチチューズデー)。現在、「Windows Update」や「Windows Update カタログ」などから入手可能。Windows以外の製品も含め、今月のパッチではCVE番号ベースで49件の脆弱性が新たに対処されている。
このうち、深刻度が最高の「Critical」と評価されている脆弱性は、以下の2件。
- CVE-2024-20700:Windows Hyper-V Remote Code Execution Vulnerability
- CVE-2024-20674:Windows Kerberos Security Feature Bypass Vulnerability
今のところ、いずれの脆弱性にも攻撃事例は報告されていないようだ。
Windows 10/11およびWindows Server 2016/2019/2022
最大深刻度は「緊急」(リモートでコードが実行される)。「バージョン 23H2/22H2」におけるハイライトは以下の通り。
- リモートシステムでスマートカード認証を利用した際、60秒後にデバイスがシャットダウンしてしまう問題を解決
- スマートカードアイコンの表示に関わる不具合を修正
加えて、一部Wi-Fiアダプターがネットワークに接続できなくなる既知の問題が解決されている。
- Windows 11 バージョン 23H2:KB5034123
- Windows 11 バージョン 22H2:KB5034123
- Windows 11 バージョン 21H2:KB5034121
- Windows 10 バージョン 22H2:KB5034122
- Windows Server 2022:KB5034129
- Windows Server 2019:KB5034127
- Windows Server 2016:KB5034119
なお、「Windows 11 バージョン 23H2」と「Windows 11 バージョン 22H2」のパッチは共通。「イネーブルメント パッケージ」(eKB:有効化パッケージ)と呼ばれる小さなパッチで機能の有効・無効を切り替えているだけなので、アップグレードは比較的短時間で済む。
Microsoft Office関連のソフトウェア
最大深刻度は「重要」重要:リモートでコードが実行される)。詳細は以下のドキュメントを参照のこと。
Microsoft Edge
「Microsoft Edge」は、「パッチチューズデー」とは関係なくアップデートされている。直近のセキュリティ修正は、米国時間1月5日にリリースされたv120.0.2210.121。
Microsoft Visual Studio
「Microsoft Visual Studio」では、セキュリティ機能のバイパスやサービス拒否(DoS)、特権昇格などの脆弱性が修正された。以下のバージョンでアップデートが提供中。深刻度はいずれも「High」。
- Microsoft Visual Studio 2022 version 17.8:3件
- Microsoft Visual Studio 2022 version 17.6:4件
- Microsoft Visual Studio 2022 version 17.4:4件
- Microsoft Visual Studio 2022 version 17.2:4件
- Microsoft Visual Studio 2019 version 16.11:1件
- Microsoft Visual Studio 2017 version 15.9:1件
- Microsoft Visual Studio 2015 Update 3:1件
Microsoft .NET/.NET Framework
「.NET」におけるセキュリティ修正は、公式ブログを参照のこと。「System.Data.SqlClient」および「Microsoft.Data.SqlClient」で情報が漏えいする問題やセキュリティバイパス、サービス拒否(DoS)などの問題が対処されている。
「Microsoft .NET Framework」では、CVE番号ベースで4件の脆弱性が修正された。詳細は公式ブログを参照のこと。
そのほかの製品
そのほかにも、以下の製品に対しセキュリティアップデートが提供されている。括弧内は最大深刻度。
- Microsoft SQL Server 2022 for x64-based Systems:1件(重要)
- Microsoft Printer Metadata Troubleshooter Tool:1件(重要)
- CBL Mariner 2.0 x64:1件(重要)
- CBL Mariner 2.0 ARM:1件(重要)
- CBL Mariner 1.0 x64:1件(重要)
- CBL Mariner 1.0 ARM:1件(重要)
- Azure Storage Mover Agent:1件(重要)