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Steam、AI技術を使って開発されたゲームの大半がリリース可能に

理解の深まりと、開発者との対話を経た現時点での結論

Valveが開発者向けに発表した文章

 米Valveは1月10日、PCゲーム配信プラットフォーム「Steam」において、AI技術を利用して開発されたゲームの大半がリリース可能になると開発者向けにアナウンスした。

 昨今、めまぐるしい進化を遂げるAI技術を使用したコンテンツの開発が増加しているが、SteamではAI技術を使ったゲームの配信には慎重な姿勢を見せていた。

 実際に、海外掲示板RedditにはChatGPTを使った機能を搭載したゲームがSteam上からリジェクトされたことを報告する書き込みがあり物議を醸した。

海外掲示板Redditに投稿された、ChatGPTを使った機能を搭載したゲームがリジェクトされたことを報告する書き込み

 この書き込みを受け、Epic GamesのCEOであるTim Sweeney氏は『Epic Games Storeは新しいテクノロジーを使ったゲームをBANすることはありません』とX(Twitter)に投稿、反響を呼んだ。



 今回のValve社の発表は、こういったAIの機能を使ったゲームの大半がSteamで配信できるという方針転換を表すものだ。

 実際にAI技術を使ったゲームを配信するためには、ゲームの審査時にValveにAI技術を使ってゲームを開発していることを申請する必要がある。具体的な手順は「事前生成」と「ライブ生成」の2種類で異なる。

 「事前生成」は、ゲーム開発中にAIツールを使用して作成されたあらゆる種類のコンテンツ(アート・コード・サウンドなど)に対するもの。これらに違法なコンテンツや権利を侵害するコンテンツが含まれないこと、そしてゲームが当該マーケティング素材と一致していることが必要とされる。

 Valveによるリリース前のレビューでは、ゲーム内にあるAI生成コンテンツを、AI生成ではないすべてのコンテンツの審査と同じ方法で審査され、ゲームがこれらの約束を順守しているかどうかも確認される。

 一方、「ライブ生成」の場合は「事前生成」と同じルールに加え、AIが違法なコンテンツを生成しないためにどのような対策を講じているかも報告する必要がある。

 なお、唯一の例外として、ライブ生成AIによって作成される成人指定(アダルトオンリー)の性的コンテンツは現時点ではリリースできない。

 アナウンスの最後には『今後も、Steamに提出されるゲームや、AI関連の法律の整備状況から学びながら、必要に応じて今回の決定を再検討する予定です。』と締めくくられており、今後の状況次第では改めて方針を転換する可能性があることが明記されている。