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「Google Workspace」にAI活用した新機能が続々投入 ~動画作成アプリを6月導入
会議のキャプション翻訳は69言語対応、「Gmail」のポスト量子暗号の実験的サポートも
2024年4月11日 14:39
米Googleは4月10日(現地時間)、「Google Workspace」において今後提供するAIを使った機能を発表した。生成AIやセキュリティなど多岐にわたる内容で、業務の効率化や安全性の向上を安価に提供するという内容になっている。
まずAIを活用した業務用のビデオ作成アプリ「Google Vids」が、Workspace Labsで6月に提供される。既存の「Google ドキュメント」や「Google スプレッドシート」、「Google スライド」のようにWebブラウザーからアクセスでき、それらと並んで配置され、クラウド上でリアルタイムコラボレーションを実現するという。
機能的には、ビデオやライティング、制作、編集のアシスタントを全て1つにまとめたもの。ユーザーがスタイルを選択すると、手持ちのビデオに画像やBGMを組み合わせたドラフトを作成。ナレーションを選択ないし入力することでビデオを作成していく。シンプルなインターフェイスで、誰もが職場で優れたストーリーテラーになれるとしている。
会議向けのAI機能としては、「Take Notes for me」で自動的に会議のメモを取れる機能をプレビュー版として提供中。6月には新たに「Translate for me」が追加され、69言語で「Google Meet」のキャプションを自動で検出、翻訳できるようになる。
さらに今年後半には、「Google Chat」でもメッセージの自動翻訳とオンデマンドの要約を開始予定。これらは「AI Meetings and Messaging」アドオンとして、1ユーザーあたり月額10ドルで提供される。
セキュリティ関連では、全社的な機密ファイルを「Google ドライブ」上で自動分類して保護する、新たなAIセキュリティアドオンの提供が開始された。組織固有のデータを使用してトレーニングされたプライバシー保護AIモデルを使用し、新しいファイルも含めて評価と分類、保護を行うとしている。1ユーザーあたり月額10ドルで提供される。
また「Gmail」のセキュリティ機能向上も継続しており、DLPコントロールと分類ラベルをベータ版として提供。さらに量子コンピューターによる攻撃を保護するためのクライアント側暗号化におけるポスト量子暗号技術(PQC)の実験的なサポートが追加された。
カスタムAIエージェントの構築は、「Google Cloud」の「Vertex AI」と「Google Workspace」を使用することでより容易になる。「Vertex AI」の「Model Garden」を使用することで、130以上のAIモデルから適切なものを選択可能。さらに「Google Workspace アドオン」フレームワークを使用し、カスタムAIエージェントを組み込むことでワークフローの合理化やコラボレーションの強化できるとしている。
今後も「Google Workspace」および「Gemini」は継続的に機能改善・追加が行われる。「Gmail」では音声入力によるプロンプトと、メモからのメール生成機能が追加される予定。「Google スプレッドシート」では新たなビルディングブロックが今後数週間で一般提供され、条件付き通知機能も追加される。
「Google ドキュメント」では文書内のタブと、フルブリード画像でのパーソナライズが今後数週間で一般提供。「Google Chat」の最大メンバー数の増加と、「Slack」や「Microsoft Teams」との相互運用性の向上も行われる。