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開発者向け万能ナイフの次期版「DevToys 2.0」がプレビュー、Mac/Linuxにも対応

拡張機能、CUI……一から書き直して大幅パワーアップ

「DevToys 2.0」がプレビュー公開

 「DevToys」の次期バージョンv2.0が6月11日、プレビュー版として公開された。アプリを完全に書き直しており、この1年間の集大成となっているという。

 「DevToys」は、コーディングで必要されるツールがコンパクトにまとめられたアプリ。プログラマー向けの「スイスアーミーナイフ」(Swiss Army knife)を謳っており、アプリ開発時にときどき必要となる、ちょっとしたテキストの変換や整形、正規表現のテスト、ハッシュの生成といったツールが詰まっている。これさえあれば、必要になるたびにWebで適当なツールを探す手間が省けるだろう。2022年1月にリリースされた「DevToys 1.0」シリーズは好評で、すでに30万ダウンロードを突破しているという。

 「DevToys 2.0」の最大の特徴は、Mac/Linuxにも対応したクロスプラットフォームアプリになったこと。初期バージョンはWindowsにしか対応していなかったが、「DevToys 2.0」はそれ以外の環境でも幅広く利用できる。

Macで動作する「DevToys 2.0」

 次に、拡張機能の仕組みが搭載された。「DevToys」のユーザーインターフェイスにはXAMLという技術が用いられているが、これはWindows/.NET開発者には馴染みがあるものの、それ以外のプラットフォームの開発者はあまり慣れおらず、プロジェクトに参加するのを躊躇する人が多かったようだ。簡単に開発できるプラグイン機構があればそうしたデベロッパーを取り込み、開発を促進することができるだろう。「DevToys」アプリ本体の肥大化も防げる。

パッケージマネージャー「NuGet」で配布・管理できる拡張機能

 「DevToys 2.0」に導入された「PNG Compressor」はこの好例で、拡張機能として提供されており、アプリ本体には含まれていない。これはサイズが4MBと比較的大きく、「DevToys」とは異なるライセンスで提供されているのが理由だ。拡張機能であれば、こうした“訳アリ”なツールも取り込みやすい。

 最後に、コマンドラインインターフェイス(CUI)が追加された。ターミナルから「DevToys」の各種ツールが利用できるため、他のコマンドラインツールやCI/CDパイプラインとも容易に連携できる。

コマンドラインインターフェイス(CUI)が追加。スクリーンショットはLinux(Debian)環境で動作させたもの

 そのほかにも「DevToys 2.0」では、多くの改善が施されている。

  • 新しいコンパクトスペーシングオプション。UI要素間の余白を縮小してコンパクトにしたり、逆にタッチUIで使いやすいように余白を増やすことができる
  • すべてのツールで改行をネイティブサポート。一部ツールにはプラットフォーム間の改行コードの違いを吸収する機能も
  • 新しいデフォルトツール。リストコンパラー、JSONパステスター、QRコードジェネレーターとリーダー
  • 既存のツールの大幅強化。RegExテスターにはチートシートが追加、日付コンバーターはミリ秒、ティック、カスタムエポックをサポート
  • 色盲シミュレーターは最大2倍速く動作するように。その他の画像系ツールも改善
  • Windowsのタスクバーのジャンプリスト対応
  • 検索バーがあいまい検索に対応。タイプミスにも寛容に
  • アプリの起動時にアップデートを自動的にチェックするオプションが追加されました。
  • コードエディターが「Monaco Editor」v0.39.0にアップデート。括弧ペアの色分けなどが可能に
  • ツール切り替え時のメモリ消費量が大幅に削減

 プレビュー版「DevToys 2.0」は現在、公式サイト「devtoys.app」などから無償でダウンロード可能。ライセンスは「MIT license」。

「DevToys 2.0」における変更点

ソフトウェア情報

「DevToys」
【著作権者】
Etienne BAUDOUX 氏
【対応OS】
Windows 10 バージョン 1903以降(編集部にてWindows 11で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
2.0.1 Preview(24/06/11)