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「Delphi」「C++Builder」にもAI支援 ~ChatGPT、Gemini、Claude、Ollamaを統合

Embarcadero、「RAD Studio 12.2 Athens」を提供開始

「RAD Studio 12.2 Athens」

 米Embarcadero Technologiesは9月12日(現地時間)、統合開発環境「RAD Studio」の最新版「RAD Studio 12.2 Athens」の提供を開始した。「Delphi 12.2」、「C++Builder 12.2」とともに、30日間無料で試用できるトライアル版の提供が開始されている。

 「RAD Studio 12.2 Athens」の目玉は、生成AIへの対応だ。さまざまな大規模言語モデル(LLM)を統合開発環境(IDE)で利用するためのオープンアーキテクチャーが導入されており、本リリースの段階では3つのオンラインソリューション(OpenAI ChatGPT、Google Gemini、Anthropic Claude)と1つのオフラインソリューション(Ollama)を統合できるようになっている。既定は無効で、コーディング支援「Smart CodeInsight」でAIを利用するかどうかも開発者自身が決定できる。

 AIへのアクセスは、ドッキング可能なチャットペインで対話する方法と、選択したコードの右クリックメニューからAIコマンドを実行できる方法の2つが選べる。コードに不具合がないか調査を依頼したり、コードの挙動を説明してもらったりできるほか、コメントの追加、コードの補完・最適化、ユニットテストの作成、C++/Delphiコードへの変換などが手軽に行える。

ドッキング可能なチャットペインで対話する方法と、選択したコードの右クリックメニューからAIコマンドを実行できる方法の2つが選べる

 ビルド機能に関しては、「RAD Studio 12.1」でWin64向けに導入された新しい「Clang」ベースのC++コンパイラーを中心に、ツールチェーンの整備・改善が行われた。Delphi言語では64bit版のWin32/Win64コンパイラーが搭載されており、64bitの広大なメモリ空間を活用できる。

 そのほかにも、本リリースでは「WebStencils」が導入。「@」や「{}」構文でHTMLドキュメントにサーバーサイドの処理を埋め込むことが可能で、モダンなWeb技術(HTML/CSS/JavaScript)を活用しつつ、Delphi/C++Builderの資産を活用できる。