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Embarcadero、「RAD Studio 12.3 Athens」をリリース ~Delphi/C++Builderも
64bit版の統合開発環境(IDE)が“初期リリース”として提供開始
2025年3月17日 15:20
米Embarcadero Technologiesは3月14日(現地時間)、統合開発環境「RAD Studio」の最新版「RAD Studio 12.3 Athens」の提供を開始した。「Delphi 12.3」、「C++Builder 12.3」とともに、30日間無料で試用できるトライアル版も提供中。
「RAD Studio 12.3 Athens」では、64bit版の統合開発環境(IDE)が“初期リリース”として提供が開始される。従来からあるデフォルトバージョン(32bit)と併用することも可能。
64bit版IDEにはまだ機能的な制限が多く、ターゲットプラットフォームも64bit版Windowsに限られている。しかし、Win64アプリの開発環境としては日常的に利用できるという。また、広大なメモリ空間が利用できること、64bit版クライアントドライバーしか提供されていないデータベースにも設計時アクセスできるのはメリットといえるだろう。
そのほかの改善は、以下の通り。
- Win64向けの新しい「C++ Builder」コンパイラーの機能強化:「RAD Studio 12.1」で導入された「Clang」ベースC++コンパイラーを継続強化。「Clang」サニタイザーに対応し、C++コードの安全性と品質を向上させることが可能
- 「Android API Level 35」をサポート:2025年8月からの「Google Play」ストアアプリの必須要件となる最新APIに対応
- 「Smart CodeInsight」の改善:新たにAIプラグインのオープンアーキテクチャーを導入し、3つのオンラインソリューション(OpenAI、Gemini、Claude)と、1つのオフラインソリューション(Ollama)をサポート。チャットウィンドウもMarkdown対応に
- 「FireDAC」とデータベースサポート:「TFDTable」コンポーネントを用いたSQLクエリーのフィルタリング改善、「refind」ユーティリティによる「IBX」から「FireDAC」への移行サポートなど
- 「WebStencils」の改善:「RAD Studio 12.2」で導入された「WebStencils」を拡張し、ネストされたデータセット内のネストされたオブジェクトとサブテーブルへのアクセスなどに対応
- BLEとBluetooth:とくにmacOS、iOS、Android向けの改善
- 「Delphi LSP」の改善:言語サーバープロトコル(Language Server Protocol)のエンジンを拡張。32bit/64bit IDEの両方で64bit版LSPエンジンを利用するように。本バージョンではすべての有償エディションでこの64bit LSPエンジンが利用可能
- 「Delphi RTL」、「VCL」、「FireMonkey」の品質改善
- 「RAD Server」の改善
なお、フリーランス開発者、スタートアップ、学生向けに無償で提供されている「Delphi 12」「C++Builder 12」の「Community Edition」(CE)は、まだv12.1のままだ。