ニュース

「Qt」が「Windows App SDK」に正式対応、モダン機能の組み込みが容易に

「Qt Creator 16」やコマンドラインで

同社のアナウンス

 フィンランドのQt Groupは1月22日(現地時間)、「Qt」が「Windows App SDK」に正式対応したと発表した。これまでは開発者自身が手動で「Qt」プロジェクトに「Windows App SDK」を統合する必要があったが、「Qt Creator 16」のリリースによりこのプロセスが簡素化された。

 「Windows App SDK」(旧称:Project Reunion)は、Windowsデスクトップアプリケーションをターゲットとしたアプリ開発キット。「WinUI 3」や「WebView2」などを含んでおり、開発プラットフォーム(C++/.NET、Win32、WinForms、WPF、UWP)を問わず「Fluent Design」に基づいたモダンなデスクトップアプリのUIを設計できる。後方互換性にも注力されており、古いWindowsでも最新のOS機能を利用できるのも魅力だ。

 今回、「Windows App SDK」が「Qt」で公式にサポートされたことにより、「Qt」アプリで以下のようなメリットが得られる。クラシックな「Qt」アプリを最新のWindows 11環境へ対応させるのが容易になるだろう。

  • 高DPIディスプレイやタッチ入力への対応
  • モダンなコントロールでUIに一貫性を持たせられる
  • 「Microsoft Edge」(Chromium)ベースのWebコントロール「WebView2」
  • アプリのライフサイクル管理。アプリのアクティブ化、バックグラウンドタスク、状態の復元を強力にサポート
  • クロスバージョン互換性。幅広い Windows バージョンでアプリが動作
  • 通知、ウィンドウ、ファイル操作などの高度なシステム機能へのアクセスを簡素化

 なお、「Qt」プロジェクトに「Windows App SDK」を組み込むには「Qt Creator 16」を使うのが簡単だが、GUIを好まない場合はコマンドラインも利用可能。「NuGet」で「Windows App SDK」をダウンロードしてインストールし、環境変数「WIN_APP_SDK_ROOT」にパスをセットすればよい。