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次期「Qt」もARM完全対応へ ~Qualcomm新CPUの登場でWindowsアプリのARM移行の機運が高まる

「Qt 6.8」をターゲットに「Windows on ARM」サポートは完了へ

公式ブログの記事

 アプリケーションフレームワーク「Qt」でも、「Windows on ARM」対応が着々と進められているとのこと。MicrosoftからQualcommのSnapdragon X Plus/Eliteを搭載した「Surface Pro」「Surface Laptop」、次世代AI PC「Copilot+ PC」、ARM64ベースの開発機「Windows DevKit」(2024)などが発表され、WindowsアプリでARMサポートの機運が高まっていることをうけ、公式ブログで対応の進捗が明らかにされている。

 「Qt」はC++言語で開発されているフレームワークで、主要なデスクトップOSから組込みOSまでの幅広いプラットフォームで動作するアプリケーションを単一のコードで開発できるのが特徴。とくに近年では組込みシステムで採用が急増しているという。

 「Qt」は古くからWindowsに対応しているが、2021年9月にリリースされた「Qt 6.2 LTS」からは「Windows on ARM」もテクニカルプレビューとしてサポートしている。x86/x64デバイスでARM64アプリをクロスコンパイルしたり、アプリを「Windows on ARM」へリモートデプロイすることが可能だ。

 開発チームは、このテクニカルプレビュー実装を拡張して次期「Qt 6.8」をターゲットに「Windows on ARM」デスクトップで直接「Qt」アプリを実行できるようにする考えだ(リモートデプロイはオプションに)。つまり、Qualcommチップ搭載の「Copilot+ PC」でも「Qt」アプリが快適に開発できるようになる。

 ただし、新しい「ARM64EC」(エミュレーション互換)のABIに関しては、現在の段階ではまだサポートできていないとのこと。これは既存の大規模アプリを段階的に移行させていくには必要な技術で、今後はこのギャップを埋めるべく開発に取り組んでいくとしている。