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「Adobe Illustrator」パフォーマンス強化、リンクされたファイルの埋め込みは最大10倍高速に

日本語組版の品質も向上

「Adobe Illustrator」のパフォーマンスが強化

 米Adobeは2月13日(日本時間)、ベクターデザインソフト「Adobe Illustrator」の機能アップデートを発表した。パフォーマンス強化や日本語組版の品質向上などが実施される。

「Adobe Illustrator」の新機能

パフォーマンス強化、最大10倍の高速化を実現

 Illustratorでは、基盤となるアーキテクチャの抜本的な変更に着手。高品質なカスタムワークをこれまで以上の速さで実験やイテレーション、デザイン、納品可能にする強化が行なわれていく。

 その第一段階では最大10倍の高速化を実現。Illustratorにマルチスレッド機能を導入することに重点が置かれており、特に画像や効果を使用する一般的なアセットワークフローにおいてその改善が実感できるとしている。

  • リンクされたファイルの埋め込み
    リンクされた画像を埋め込み画像に変換する際のパフォーマンスが最大10倍高速化
  • 画像の操作
    読み込み、ドラッグ&ドロップ、アートボードへの画像配置など、最大5倍高速化(JPEG、PNG、TIFF、Photoshopファイルの場合)
  • 効果の処理
    最も使用頻度の高い5つの効果(ドロップシャドウ、ぼかし、光彩(内側)、光彩(外側)、ラスタライズ)の処理が最大5倍高速化
  • レイヤーパネル
    非表示、再表示、拡大、縮小、上下スクロールなど、よりスムーズで高速なレイヤー操作

 次の段階では、より高速な書き出しが実現とのこと。その結果、Illustratorでの日常的な作業を高速化でき、例えばクライアントからのリクエストに迅速に対応したり、ブランドに沿ったシステムをより短時間で完成させたりできるようになる。

Retype機能が日本語にも対応

 「Retype」は、ラスター画像やアウトライン化された静的なテキストで使われているフォントを識別・特定し、編集可能なテキストに変換してくれる機能。Adobe Fontsライブラリだけでなく、ローカルのフォントライブラリからも適切なフォントを検索してくれる。

 今回、プレリリース版に関したフィードバックをもとに改善を実施。わずか数ステップでフォントを一致させ、一致したフォントをお気に入りのフォントに追加してプロジェクトで使用できるようになった。さらに、言語サポートも追加され、英語に加えて日本語、フランス語、ドイツ語にも対応した。

Retype機能にも改善

日本語組版の品質向上

 さらに、ユーザーからのフィードバック、専門家との積極的な対話を通じ、Illustratorの日本語組版を大幅に改善。Illustratorの日本語組版はすべて日本の標準規格に沿った、改善されたレイアウトになった。

 また、Illustratorで品質向上された日本語タイポグラフィを提供開始。既存の950以上の日本語フォントライブラリに、数十点の新規日本語フォントが追加された。古いドキュメントを扱う際には、旧バージョンで組まれたレイアウトを更新するためのガイド付きエクスペリエンス「文字組み更新機能」も提供されている。

Illustratorの日本語組版の品質が向上