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さらなる高速化を果たした「WinRAR 7.10」が公開 ~一方でVistaと32bit版OSは切り捨て

ダークモード、ラージメモリページ、MOTWの扱い改善など

「WinRAR」v7.10

 独win.rarは2月28日(現地時間)、「WinRAR 7.10」を正式公開した。日本語版はまだ公開されていないが、まもなくリリースされるものと思われる。

 「WinRAR」は、書庫ファイルの作成・展開・修復・管理を行うためのツール。ZIP形式をはじめとするメジャーな圧縮フォーマットに加え、ZIP形式よりも高い圧縮率を誇る独自フォーマット「RAR」をサポートするのが特徴で、とくにマルチメディアファイルの圧縮に効果を発揮するという。そのほかにも、自己解凍書庫の作成、パスワードの追加、マルチボリューム書庫といった機能をサポートする。5,104円のシェアウェアで、インストール後40日間の試用が可能だ。

 1年ぶりのアップデートとなる「WinRAR 7.10」では、[設定]ダイアログが改善。一般的な設定をあつめたページはインターフェイスとシステムの2つに分割され、ページの切り替えも水平タブではなく垂直ナビゲーションに改められた。

 拡充された設定オプションのなかでは、ダークモードとラージメモリページが目玉となるだろう。前者はユーザーインターフェイスを黒基調にするもので、インターフェイス設定のカラーモードからシステム既定、ライト、ダークの3を選べる。ラージメモリページはRAR形式書庫ファイルの圧縮と展開処理に用いるメモリページのサイズを、従来の既定である4KBから2MBへと拡張する。OSの「Lock Pages in Memory」オプションが有効になっている必要があるが(設定の反映は要再起動)、圧縮辞書が大きい場合などでパフォーマンス向上が見込める。

インターフェイス設定のカラーモードからシステム既定、ライト、ダークの3を選べる

 また、RAR圧縮アルゴリズムでもマルチコアCPU対応がアップデートされた。これまでは論理プロセッサーのプロセッサーグループを1つしかサポートしておらず、たとえば72プロセッサーの場合は36しか利用できなかったが、最新版では複数のプロセッサーグループにまたがって64個の論理プロセッサーまで活用できる。

 そのほかにも、Windows 11のファイルメニューへの対応や「Mark of the Web」(MOTW)が改善。「MOTW」に関してはセキュリティ設定ページで詳細なコントロールが行えるようになったほか、伝播が不十分でなかった箇所が修正された。

Windows 11のファイルメニューへの対応が改善

 一方で、Windows Vistaと32bit版Windowsはサポート外となった。「WinRAR 7.10」を利用するには、64bit版のWindows 7以降が必要だ。ただし、32bitの自己解凍モジュールは引き続きサポートされる。

ソフトウェア情報

「WinRAR」英語版
【著作権者】
Alexander Roshal
【対応OS】
64bit版を含むWindows 7/8/10
【ソフト種別】
シェアウェア 5,104円(税込み、40日間試用可能)
【バージョン】
7.10(25/02/17)