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1GB超の圧縮辞書に対応の「WinRAR 7.00」が公開 ~仮想マシンイメージなどの圧縮で効果大【4月1日追記】
「MOTW」関連の脆弱性も修正。3月28日には日本語版もリリース
2024年2月29日 16:15
独win.rarは2月28日(現地時間)、「WinRAR 7.00」を正式公開した。日本語版はまだ公開されていないが、まもなくリリースされるものと思われる。
「WinRAR」は、書庫ファイルの作成・展開・修復・管理を行うためのツール。ZIP形式をはじめとするメジャーな圧縮フォーマットに加え、ZIP形式よりも高い圧縮率を誇る独自フォーマット「RAR」をサポートするのが特徴で、とくにマルチメディアファイルの圧縮に効果を発揮するという。そのほかにも、自己解凍書庫の作成、パスワードの追加、マルチボリューム書庫といった機能をサポートする。5,104円のシェアウェアで、インストール後40日間の試用が可能だ。
「WinRAR 7.00」では、RAR形式の書庫ファイルで1GBを超える圧縮辞書がサポート。物理的に利用可能なメモリ容量に応じて、最大64GBまでの辞書を選択できる。4GBを超える辞書サイズは2のべき乗である必要はないので、5GBや22GBのような値を指定することも可能。辞書ファイルを大きくすることで、たとえば仮想マシンイメージのようにブロックの繰り返しが離れて出現するタイプの大容量ファイルで圧縮率の大幅な向上が見込めるという。
ただし、4GBを超える辞書を持つ書庫ファイルを解凍できるのは「WinRAR 7.0」以降でのみだ。また、コマンドラインモードでは既定で4GBを超える辞書を持つ書庫ファイルを解凍できないようになっている。明示的に「-md<size>」などのコマンドライン引数を指定する必要があるので注意したい。
そのほかにも、パスに使える文字の数の制限が2,047文字から6,5535文字へ緩和。インターネットから入手したファイルに付けられるセキュリティマーク「Mark of the Web」(MOTW)を解凍後に引き継ぐかどうかをコントロールするフラグが追加された(GUIのみ、CUIでは伝播せず)。解凍後に冗長なパス(不要なフォルダー)を削除するオプション、シンボリックリンクのアーカイブと抽出を禁止するスイッチなども導入された。
一方で、「RAR 4.x」形式の書庫ファイル作成は廃止されているので注意したい。
なお、本バージョンではTrend MicroのZero Day Initiativeなどから報告された脆弱性も修正されているとのこと。細工が施された「*.rar」書庫ファイルを用いて解凍されたファイルに伝播する「MOTW」を上書きし、セキュリティゾーンの情報を改竄することができたという。この脆弱性は「unrar.dll」には影響しない。
[2024年4月1日編集部追記] 3月28日付で「WinRAR 7.00」の日本語版が公開された。
ソフトウェア情報
- 「WinRAR」英語版
- 【著作権者】
- Alexander Roshal
- 【対応OS】
- 64bit版を含むWindows 7/8/10
- 【ソフト種別】
- シェアウェア 5,104円(税込み、40日間試用可能)
- 【バージョン】
- 7.00(24/02/28)