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Anthropic、「Claude Opus 4」「Claude Sonnet 4」を発表 ~ずば抜けた記憶力が魅力

「Claude Code」の一般提供も開始。専用のIDE拡張機能もベータ提供

Anthropic、「Claude 4」を発表

 米Anthropicは5月23日(日本時間)、「Claude 4」を発表した。世界最高のコーディングモデルを謳う「Claude Opus 4」と、パフォーマンスとコスト効率のバランスに優れた「Claude Sonnet 4」がラインナップされている。

 「Opus 4」は、世界最高レベルのコーディングパフォーマンスを誇り、長時間にわたる複雑なタスクやエージェントワークフローにおいて優れた性能を発揮する。コーディング、研究、執筆、科学的発見の限界を押し広げるフラグシップモデルだ。

 一方の「Sonnet 4」は、前モデルの「Sonnet 3.7」を発展させたものといえる。パフォーマンスが大幅に改善され、コードと論理的思考能力が向上しているという。

ソフトウェアエンジニアリングを評価。「Opus 4」「Sonnet 4」ともに「Sonnet 3.7」をしのぐパフォーマンス
各種ベンチマークの結果

 両モデルとも、瞬時に答えを出す標準モードと時間をかけてより深い推論を行う拡張思考モード(Extended thinking)を備えたハイブリッドモデルだ。

 とくにメモリ能力において、これまでのどのモデルよりも優れているとされ、ローカルファイルアクセスを許可すれば、重要な情報を保存するための「メモリファイル」を作成・維持できる。これにより、エージェントタスクは重要な情報を記憶し、タスクを長期にわたって連続かつ一貫して、高いパフォーマンスで実行できる。たとえばポケモンをプレイしながらナビゲーションガイドを作成するといったことも可能。

ポケモンをプレイしながらナビゲーションガイドを作成

 加えて、拡張思考モードではWeb検索などの外部ツールを利用できる機能がベータ版として提供される。推論とツールを交互に用いて応答を改善することができる。

 そのほかにも、エージェントコーディングのためのコマンドラインツール「Claude Code」の一般提供が開始される。

 「Visual Studio Code」や「JetBrains」のIDEには拡張機能がベータ版として提供され、ネイティブな連携が可能。開発者向けの「Claude Code SDK」も提供され、独自のエージェントやアプリケーションの構築できる。APIも拡充されており、コード実行ツール、MCPコネクター、「Files API」、および最大1時間のプロンプトキャッシュなどがサポートされた。

 価格は「Opus 4」の場合で100万トークンあたり入力15米ドル、出力75米ドル。「Sonnet 4」は従来バージョンと大きく変わらず、100万トークンあたり入力3米ドル、出力$15米ドルとなっている。「Anthropic API」をはじめ、「Amazon Bedrock」や「Google Cloud」の「Vertex AI」でも利用可能だ。