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「Microsoft Edge」にPDFを丸ごと翻訳する機能、内蔵AIを活用するAPIも提供へ

エンタープライズ向けには「Copilot」エージェントなどの機能を利用可能に

Microsoft、開発者向けカンファレンス「Build 2025」で、AIを活用した「Microsoft Edge」の新機能を発表

 米Microsoftは5月19日(現地時間)、開発者向けカンファレンス「Build 2025」で、AIを活用した「Microsoft Edge」の新機能を発表した。「Edge」内蔵のローカル小規模言語モデル(SLM)「Phi-4-mini」とそのAPIを用い、使い勝手やセキュリティを向上させているという。

 「Phi-4-mini」は、比較的非力なデバイスでの利用を想定した軽量モデルで、小さいフットプリントにもかかわらず、テキスト生成であれば大規模言語モデル(LLM)に迫るパフォーマンスを発揮する。Web開発者はモデルのプロンプトを簡単に生成する「Prompt API」、テキストの生成・要約・編集を行う「Writing Assistance API」で、このSLMを簡単にWebアプリへ組み込むことが可能(Dev/Canaryチャネルでテストできる)。間もなくテキスト翻訳のための「Translator API」も導入される予定だ。

 また、新しいPDF翻訳機能が「Edge」に導入され、外国語のPDF文書全体を好みの言語へ翻訳できるようになる。この機能はまもなく一般提供される見込み。

現行のPDF翻訳機能。間もなく文書全体の翻訳も可能となるため、テキスト選択の必要がなくなる。文書全体の文脈に応じた翻訳も期待できる

 エンタープライズ向けには、繰り返しのタスクを自動化する「Copilot」エージェントが6月上旬にも導入される。これは「Edge for Business」のサイドペインに組み込まれた「Copilot Chat」からアクセスできるようになるとのこと。

 さらに、「Copilot Chat」を使ってコンテンツを要約する機能も追加される(現在プレビュー提供中)。「Edge for Business」であれば長いWebページだけでなく、「Microsoft 365」の「Word」、「Excel」、「PowerPoint」のオンライン文書も要約可能。そのほかにも、追加コストなしでWebコンテンツフィルタリングが職場や学校の「Edge for Business」で提供されるという。