ニュース

「Google Chrome 138」が公開 ~翻訳や要約などのAI APIを搭載、古いAndroid対応は打ち切り

セキュリティ関連の修正は全11件

「Google Chrome」にアップデート。Windows環境にはv138.0.7204.49/50が展開中

 米Googleは6月24日(現地時間)、デスクトップ向け「Google Chrome」の安定(Stable)チャネルをアップデートした。Windows/Mac環境にはv138.0.7204.49/50が、Linux環境にはv138.0.7204.49が順次展開される。

 「Chrome 138」では、Webブラウザー内蔵のAIモデルや大規模言語モデル(LLM)を連携できるように設計されたAPIが導入される。

  • Translator API
  • Language Detector API
  • Summarizer API

 「Chrome」には「Gemini」ファミリーの最軽量モデル「Gemini Nano」が含まれており(「Microsoft Edge」の場合は「Phi-4-mini」)、最新のデスクトップおよびラップトップPCでローカル実行が可能。たとえば、Webサイトに要約機能を追加したり、チャットサポートに翻訳機能を組み込むことができる。

「Translator API」を利用した様子

 さらに、新しいCSS関数――abs()、sign()など――が導入されるなど、開発者向けの機能強化が図られた。一方で、「Android 8.0」「Android 9.0」への対応は本バージョンで打ち切りとなる。次期バージョン「Chrome 139」を受け取るには、OSのアップグレードやデバイスの買い替えが必要だ。

 脆弱性の修正は全11件。そのうちCVE番号が公開されている脆弱性は、以下の3件だ。深刻度は最大で「Medium」と評価されている。

  • CVE-2025-6555:Use after free in Animation(Medium)
  • CVE-2025-6556:Insufficient policy enforcement in Loader(Low)
  • CVE-2025-6557:Insufficient data validation in DevTools(Low)

 そのほかにも、内部監査やファジングで発見された不具合も修正された。現時点で悪用が報告されている脆弱性はない。

 デスクトップ向け「Google Chrome」はWindows/Mac/Linuxに対応しており、現在、同社のWebサイトから無償でダウンロード可能。Windows版は、Windows 10/11に対応している。すでにインストールされている場合は自動で更新されるが、設定画面(chrome://settings/help)にアクセスすれば手動でアップデート可能。アップデートを完全に適用するには、「Google Chrome」の再起動が必要だ。