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「Google Chrome 138」が公開 ~翻訳や要約などのAI APIを搭載、古いAndroid対応は打ち切り
セキュリティ関連の修正は全11件
2025年6月25日 13:29
米Googleは6月24日(現地時間)、デスクトップ向け「Google Chrome」の安定(Stable)チャネルをアップデートした。Windows/Mac環境にはv138.0.7204.49/50が、Linux環境にはv138.0.7204.49が順次展開される。
「Chrome 138」では、Webブラウザー内蔵のAIモデルや大規模言語モデル(LLM)を連携できるように設計されたAPIが導入される。
- Translator API
- Language Detector API
- Summarizer API
「Chrome」には「Gemini」ファミリーの最軽量モデル「Gemini Nano」が含まれており(「Microsoft Edge」の場合は「Phi-4-mini」)、最新のデスクトップおよびラップトップPCでローカル実行が可能。たとえば、Webサイトに要約機能を追加したり、チャットサポートに翻訳機能を組み込むことができる。
さらに、新しいCSS関数――abs()、sign()など――が導入されるなど、開発者向けの機能強化が図られた。一方で、「Android 8.0」「Android 9.0」への対応は本バージョンで打ち切りとなる。次期バージョン「Chrome 139」を受け取るには、OSのアップグレードやデバイスの買い替えが必要だ。
脆弱性の修正は全11件。そのうちCVE番号が公開されている脆弱性は、以下の3件だ。深刻度は最大で「Medium」と評価されている。
- CVE-2025-6555:Use after free in Animation(Medium)
- CVE-2025-6556:Insufficient policy enforcement in Loader(Low)
- CVE-2025-6557:Insufficient data validation in DevTools(Low)
そのほかにも、内部監査やファジングで発見された不具合も修正された。現時点で悪用が報告されている脆弱性はない。
デスクトップ向け「Google Chrome」はWindows/Mac/Linuxに対応しており、現在、同社のWebサイトから無償でダウンロード可能。Windows版は、Windows 10/11に対応している。すでにインストールされている場合は自動で更新されるが、設定画面(chrome://settings/help)にアクセスすれば手動でアップデート可能。アップデートを完全に適用するには、「Google Chrome」の再起動が必要だ。