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タブの解放などを追加した「Firefox 140」が公開 ~新たな「Firefox ESR」のベースバージョン

セキュリティ関連の修正は13件

「Firefox」v140.0

 Mozillaは6月24日(米国時間)、デスクトップ向け「Firefox」の最新版v140.0をリリースチャネルで公開した。

新たな「Firefox ESR」のベースバージョン

 安定した長期運用が望まれる企業や大学、政府機関、地方自治体向けに提供されている「Firefox ESR」(Extended Support Release)が、数バージョンの重複を経て「Firefox 128」から「Firefox 140」へと切り替わる予定。この1年間で通常版「Firefox」に投入された新機能が、「Firefox ESR」でも利用可能になる。

 なお、「Firefox ESR 128」は9月まで利用可能。Windows 7~8.1、macOS 10.12~10.14をサポートするためにメンテナンスが継続されている「Firefox 115」も、今のところ9月まで利用できる。

垂直タブの改善や「タブの解放」などの新機能

 「Firefox 140」では垂直タブが改善され、重要なウィンドウにすばやくアクセスできるようにピン留めしたタブの数を増やしたり、減らしたりできるようになる。また、仕切りをドラッグするだけで、ピン留めしたタブのセクションのサイズを変更できるようになった。

垂直タブが改善

 さらにカスタム検索エンジンが拡充されており、より多くの検索エンジンを追加できるようになっているとのこと。カスタム検索エンジンの追加は、対応サイトの検索ボックスで右クリックメニューや検索設定ページ(about:preferences#search)から可能。

カスタム検索エンジンの追加

 そのほかの改善は以下の通り。開発者向けの改善も多く含まれている。

  • 拡張機能のショートカットを削除するオプション
  • タブを解放(アンロード)。選択したタブ(複数も可)を右クリックしてタブを解放すると、「Firefox」のメモリとCPUの使用量が減り、パフォーマンスが向上
    タブを解放(アンロード)
  • ページ翻訳の改善。現在のビューに近いコンテンツのみを優先的に翻訳するようになり、速度と応答性が向上。スクロールしない限りビュー外のコンテンツはスキップされるため、不要なリソースの使用が削減される
  • アラビア版にスペルチェッカー辞書を内蔵
  • イタリア、ポーランド、オーストリアで住所の自動入力が可能に

セキュリティ関連の修正

 セキュリティ関連の修正は、13件。深刻度の内訳はMozillaの基準で4段階中2番目の「High」が2件、3番目の「Moderate」が6件、最低の「Low」が5件となっている。攻撃に悪用可能なクラッシュやメモリ破損が対策されているので、できるだけ早いアップデートをお勧めする。

 デスクトップ版「Firefox」はWindows/Mac/Linuxなどに対応する寄付歓迎のフリーソフトで、現在MozillaのWebサイトからダウンロード可能。Windows版はWindows 10/11に対応しており、窓の杜ライブラリからもダウンロードできる。