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ラズパイ×生成AIのおもちゃがオモシロい! しゃべってうたをつくって遊べるクルマ「Mobii」、Algomaticが公開

表情が変わり、クルマも動く。AIでアニメの世界が現実に!?

「AIおもちゃとしゃべって、おいかけっこして、うたづくりで遊ぼう!」の展示

 ディズニー/ピクサーのアニメ映画「カーズ」では、自動車たちが互いにしゃべり、社会を営んでいる様子が描かれていた。そんな感じで、おもちゃのクルマがしゃべり、子どもと遊ぶところを体験できる展示「AIおもちゃとしゃべって、おいかけっこして、うたづくりで遊ぼう!」を見てきた。

 この展示があったのは、7月5日に開催された、合同会社DMM.comが従業員の家族をオフィスに招く「DMMファミリーデー2025」だ。親に連れられてたくさんの子どもたちが集まっていた。

 おもちゃのクルマと遊べるコーナーを展示していたのは、本誌連載「開発者と読み解くAIの世界」でもお馴染みの、生成AIサービスを開発している株式会社Algomatic(DMMグループ)だ。

AIおもちゃの自動車「Mobii」。フロントガラスのスマートフォンが顔になっている。前面の赤外線センサーは壁を検出する

 おもちゃのクルマの名前は「Mobii(モービィ)」。フロントガラスの部分にスマートフォンが取り付けられており、普段は目が表示されていて、まさに「カーズ」に出てくるクルマのようだ。おしゃべりの内容にあわせて、この表情が変わり、クルマも小さく動く、という生きているような挙動を示す。

 Mobiiの前に座ると、向こうから「何歳?」「君の名前を教えて」「好きな食べ物を教えて」などと話しかけてくる。こちらが答えると音声を認識してさらに会話が続く。ちなみに、名前を教えると、以後もその名前で呼びかけてくる。

人間とおしゃべりしながら、表情を変え、動く

 この「おしゃべり」のほかにも、「おいかけっこ」「しゃしんでうたづくり」といったメニューも用意されている。

 「おいかけっこ」を選ぶと、Mobiiが逃げるので、それを子どもが追いかけてつかまえる遊びになる。Mobiiのフロントには赤外線センサーがついていて、会場を囲ったダンボールの壁を検知して避ける。

メニュー表示
Mobiiと追いかけっこ

 また「しゃしんでうたづくり」では、スマートフォンのカメラで何かモノを撮影して、それをもとに生成AIが歌を作って、Mobiiが歌ってくれる。魚のおもちゃの写真で試したところ、ちゃんと魚の歌を即興で作って歌ってくれた。

カメラで撮影したモノをもとに生成AIが即興で歌を作る
歌うMobii

 会場で聞いたところでは、クルマとおしゃべりすることで知育も狙っており、そのためのコンテンツも用意したいとのことだった。幼児をあやすのは大変だが、かといってYouTubeに頼り切りになるのもちょっと、というときに、それに代わる知育トイにしてもらえれば、と考えているという。

 そのほかのアイデアとしては、Mobiiと遊んでいる子どもの自然な写真を自動で撮ることもできると語られた。

 会場で動いていたMobiiでは、車体にスマートフォンを面ファスナー(マジックテープ)で取り付ける。車体側には「Raspberry Pi」を搭載する(デモ仕様)。Mobiiの動作には、生成AIのfunction calling機能(プロンプトといっしょに利用可能なfunctionを与えると呼び出しコードを返す機能)が使われているということだった。

 Algomatic社ではちょうど、7月からAIロボットチームを立ち上げたとのこと。マルチモーダルやフィジカルAIの文脈で、データドリブンのAIロボットを作っていくとの話も聞かせてもらった。