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Rust製のMac/Linux対応高速テキストエディター「Zed」 ~Windows版はいつ出るの?

まだ課題は残されているものの、そう遠くない内にリリースされるかも?

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Mac/Linuxに対応した「Zed」、Windows対応はいつ?

 プログラミング言語「Rust」で開発された期待の高速テキストエディター「Zed」は2023年3月にMac対応アプリとして出発し、2024年7月にLinux対応を果たしました。しかし、Windows版がリリースされる気配は一向にありません。どうなっているのでしょうか。

 そんな声に応えてか、最近「Zed for Windows: What's Taking So Long?!」と題する記事が公式ブログで公開されました。

 それによると、Windows版「Zed」はこの6週間、4人のエンジニアのグループがフルタイムで取り組んでいたとのこと。

 しかし、開発は一筋縄にはいかないようで……Linux版で用いられていた「Vulkan」ベースのレンダリングバックエンドをWindows版で再利用しようとしたが動作しないため、「DirectX 11」ベースの新しいバックエンドを開発する必要があったり、グラフィックスデバッグツール「RenderDoc」が「Direct2D」に対応していないため、「DirectWrite」でグリフをラスタライズする仕組みを導入する必要があったりしたのだそう。

「RenderDoc」でレンダリングをデバッグ

 また、VRAMの扱いもmacOSとは異なっているとのことで、ここでも工夫を強いられました。しかし、VRAMの利用が効率化されたおかげで、macOSを含むすべてのプラットフォームで「Zed」のレンダリングパフォーマンスが向上するといったうれしい誤算もあったそうです。

 そのほかにも、Windows版「Zed」では自動アップデーターの再設計、クラッシュレポートの出力などが実施されたとのこと。キーバインドやSSHリモート処理、「WSL」への対応、拡張機能周りの調整などが解決すべき点として残されています。

 しかし、作業自体は順調に進んでいるようで、トップページにもいつのまにか『Available for macOS, Linux, and soon for Windows』と記載されていました。そう遠くない内にリリースされそうなので、気長に待つことにしましょう。興味と技術力のある方がいらっしゃいましたら、ぜひ「Zed」の移植に参加してください!

トップページには『Available for macOS, Linux, and soon for Windows』との文言