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Rust製コードエディター「Zed」がようやくWindowsに対応 ~「Atom」のメンバーが開発

マルチコアCPUとGPUを有効活用、WSLとSSHも統合。拡張機能もフルサポート

Rust製コードエディター「Zed」がようやくWindowsに対応

 Rust言語を採用したコードエディター「Zed」が、Windowsに対応したとのこと。開発チームが10月15日(米国時間)、公式ブログで発表した。現在、安定版(v0.208.4)を無償でダウンロード可能。

 「Zed」は、「Chromium」ベースのUIフレームワーク「Electron」を採用したコードエディター「Atom」と、その構文解析システム「tree-sitter」を開発していたメンバーが立ち上げたプロジェクト。「Atom」の開発は残念ながら2022年11月に終了してしまったが、その遺志を継ぐコードエディターと言えるだろう。

 仮想的である「Visual Studio Code」との最大の違いは、「Electron」を採用していないこと。マルチコアCPUとGPUを効率的に活用するためとして、近年評価の高い「Rust」言語で一から書かれている。

 また、デバッグ アダプター プロトコル(DAP)に基づいて構築されており、さまざまなプログラミング言語のデバッグにネイティブ対応している。「Git」やAIエージェントなどを統合しているのも、今どきのコードエディターらしい。「Vim」を好むユーザーのために、「Vim」バインディングをサポートするのも面白い。

 「Zed」は2023年3月にMac対応アプリとして出発し、2024年7月にLinux対応を果たした。今回Windows版がリリースされたことにより、2年半がかりでようやく主要なデスクトッププラットフォームをカバーしたことになる。

 Windows版「Zed」はレンダリングに「DirectX 11」、テキストレンダリングに「DirectWrite」を採用しており、ルック&フィールもWindowsの作法を踏襲しているとのこと。また、「Windows Subsystem for Linux」(WSL)やSSHリモート処理が統合されている。

「Windows Subsystem for Linux」(WSL)やSSHリモート処理が統合

 また、拡張機能もWindowsをフルサポート。「Zed」の拡張機能はWebAssemblyをベースとしており、WASI(WebAssembly System Interface)を介してファイルシステムにサンドボックスアクセスする仕組みになっている。WindowsとUnix系OSではパスの扱いなどに差があるが、クロスプラットフォーム対応を念頭に設計されたWASIを経由するため、拡張機能の開発者はプラットフォームの差異を考慮する必要がない。