ニュース

Embarcadero、「Delphi 13 Community Edition」を無償公開 ~「12.1」から一挙最新世代に

三項演算子、ネイティブ64bit IDE、「Android 15」「iOS 18」対応など

同社の公式ブログ

 米Embarcaderoは8月11日(現地時間)、「Delphi 13 Community Edition」を公開した。無償の「Community Edition」がアップデートされるのは、「Delphi 12.1」以来だ。

 「Delphi」は、デスクトップ(Windows/macOS)およびモバイル(iOS/Android)でネイティブ動作するアプリを開発できるプログラミング言語(Object Pascal)、およびその統合開発環境(IDE)。C++言語開発などもサポートする「RAD Studio」の一部として提供されている。

 「RAD Studio」や「Delphi」は基本的に有償の製品だが、学生やホビー開発者、スタートアップ企業などを対象にした「Community Edition」(CE)も提供されている。これまでは古い「RAD Studio 12 Athens」(v12.1)がベースだったが、今回、最新の「RAD Studio 13 Florence」ベースとなった。これまで蓄積された言語・フレームワークの強化が「CE」でも利用できるようになる。

  • Delphi言語の機能強化
    条件式(三項演算子):ifキーワードを使って実装
    NameOf:識別子の名前を文字列として返す組み込み関数
    is not演算子/not in演算子:より明確で自然な式を記述できる
    {$PUSHOPT}/{$POPOPT}:コンパイラーオプションを保存・復元するコンパイラー指令
    noreturn指令:呼び出し元へ制御を戻さないプロシージャ向け
    ・ジェネリック型制約の改善、カスタムマネージドレコードのInitialize演算子・Finalize演算子における暗黙的なSelfパラメーター
  • IDEの機能強化
    ・64bit Windowsアプリケーションの開発・デバッグに利用できるネイティブ64bit IDEを追加
    ・主要ペインでの検索・フィルタリング
    ・コーディングに集中できるフォーカスモード
    ・変更・ブックマーク・エラー・警告の位置を示すエディターのスクロールバー注釈
    ・「GetIt」のパッケージバージョン管理
  • フレームワークとモバイル対応
    FireMonkey:滑らかで安定したアニメーションを実現する新しい「Display Link」サービス、GPUアクセラレーションによるビットマップコピーの高速化、「TMaskEdit」「TApplicationEvents」コンポーネントの追加、コントロールを中央に配置する整列オプション、スペルチェック機能の拡張、「Skia4Delphi」統合の更新など
    VCL(Windows向け):スタイルに対応したカスタムタイトルバー、「TControlList」「TFormTabsBar」「TToggleSwitch」の改善、「TActionMainMenuBar」のスクロール対応、「TEdgeBrowser」における「WebView2」統合の更新、Windows API・WinRT APIのサポート拡張
    Android:更新されたツールチェインにより、32bit/64bitのARMネイティブアプリをビルド可能。APIレベル35をターゲットとし、16KBメモリページサイズなど「Android 15」の機能にも対応する
    iOS:「iOS 18」向けのネイティブアプリを開発可能。実機に加え、Apple Silicon搭載Mac上のiOSシミュレーターにも対応する

 なお、IDEに搭載されるAIコーディングアシスタント「Kai」は「CE」に含まれず、サポートもされない。有償版向けのプレミアムアドオンとして別途販売されている。

「CE」は製品の試用・評価を目的としたエディションではない点に注意
ダウンロードの際はエンバカデロのアカウントが必要
メールでシリアルナンバーが送られてくる
インストーラー。「シリアルナンバーを入力済み」でセットアップを進める
メールで送られてきたシリアルナンバーを入力
「RAD Studio」と「Delphi」のインストールが開始

 また、「CE」は製品の試用・評価を目的としたエディションではない点には注意。以下の「CE」を利用できる条件に合致しない場合で、試用を希望する場合は、30日間すべての機能を使える「RAD Studio」トライアル版を利用する必要がある。

  • 学生
  • 趣味で開発を行うユーザー
  • フリーランス・個人開発者で、開発したアプリケーションによる年間収入が5,000米ドル未満
  • スタートアップ企業・組織で、年間売上が5,000米ドル未満、かつ開発者が5名以下のチーム

 年間売上が5,000米ドル以上に達した場合や、開発チームが5名を超えた場合は、商用利用の制限がない有償版(Professional/Enterprise/Architect)への移行が必要だ。