Microsoft、「TypeScript 0.9」をリリース。発表以来最大のアップデート

「TypeScript for Visual Studio 2012」v0.9.0

　米Microsoft Corporationは18日（現地時間）、JavaScriptへ静的型付け機能を追加したプログラミング言語「TypeScript 0.9」を公開した。昨年10月に発表されて以来、最大のアップデートとなる。

　TypeScriptは、JavaScriptにクラス（Class）やモジュール（Module）といった、大規模開発に役立つ言語機能を追加したもの。JavaScriptへ変換（コンパイル）して利用する仕組みになっており、クロスプラットフォーム、クロスブラウザーで動作する。また、コンパイラーはオープンソースで提供されており（ライセンスはApache 2.0）、「Visual Studio 2012」や「WebMatrix 3」といったMicrosoft製開発環境のみならず、「Sublime Text」「Vi」「Emacs」といったテキストエディターでも利用可能。

待望の“ジェネリクス（Generics）”がサポート

　今回のアップデートでは、待望の“ジェネリクス（Generics）”がサポートされた。これは型をパラメーターとして与え、その型に対応したクラスや関数を生成する機能。現代的な静的型付け言語ではお馴染みのものだ。

　そのほかにも、定数パラメーターによるオーバーロード（Overloading on Constants）、組み込みの外部モジュールローダー（exportキーワード）、列挙型（Enums）といった言語機能が新たに組み込まれている。

　なお、今回のアップデートでは旧バージョンと互換性のない、破壊的な変更が若干含まれているので注意。「TypeScript 1.0」がリリースされるまでは、IDEやツールとの連携、拡張性の確保、言語仕様への準拠などを理由に破壊的な変更が行われる可能性がある。また、動作速度が「TypeScript 0.8」と比べて若干低下しているとのことが、これは次のバージョン「TypeScript 0.9.1」で修正される見込み。