レビュー

システムで動作中の“スレッド”をリストビューで一覧できる「AllThreadsView」

リストは自動的に更新されるため、ほぼリアルタイムでの情報が得られる

「AllThreadsView」v1.00
プロパティ画面

 「AllThreadsView」は、システムで動作中の“スレッド”をリストビューで一覧できるツール。64bit版を含むWindows XPからWindows 10までに対応する寄付歓迎のフリーソフトで、“NirSoft”のWebサイトからダウンロードできる。

 Windowsで実行ファイルを実行すると、まずそれを管理するための“プロセス”が生成される。実際にCPUで行う処理をまとめたものは“スレッド”と呼ばれており、プロセスは複数のスレッドをもつことができる。これは画面の入力を待つ処理、データの読み書きを待つ処理、データを集計・加工する処理などを分けてプログラムの応答性を高めるためだ。また、複数のCPUをもつ環境の場合、処理を複数のスレッドに分割することにより、リソース(CPU)をより効率的に利用することができる。

 それでは、システムでは実際にどれだけのスレッドが実行されているのだろうか。それを簡単に確認できるのが、今回紹介する「AllThreadsView」だ。

 「AllThreadsView」は、システム上で実行中のプロセスがもつすべてのスレッドを列挙し、リストビューに一覧表示する。リストビューでは親プロセスの情報(IDとパス)に加え、スレッドID、作成時刻、カーネル時刻、ユーザー時刻、実行時間、開始アドレス、ベースとして設定された優先度と実際の優先度、コンテキストスイッチ(CPUによる処理の切り替え)の回数(合計と最後のリフレッシュ以降の変更)、スレッドが待機している場合その理由などが閲覧可能。アクティブなスレッドの情報のみを取得したい場合は[Options]-[Show Only Active Threads]オプションを有効化すればよい。

 そのほかにも、行をダブルクリックすれば、その行の情報を単一のプロパティ画面でまとめてチェックすることが可能。他の“NirSoft”ツールと同様、データをクリップボードへコピーする機能や、レポートを出力する機能を搭載しているので、他のツールとの連携も容易だ。インストール不要のポータブルアプリになっているのも手軽でよい。

 なお、すべてのプロセスのスレッドを列挙するには、本ソフトを管理者権限で起動する必要がある。また、リストは自動的に更新されるため、ほぼリアルタイムでの情報が得られるが、動作はかなり重いので注意したい。

ソフトウェア情報

「AllThreadsView」
【著作権者】
Nir Sofer 氏
【対応OS】
64bit版を含むWindows XPからWindows 10まで
【ソフト種別】
フリーソフト(寄付歓迎)
【バージョン】
1.00(18/04/01)