レビュー

「秀丸」製品を更新する手間を省いてくれるスクリプト「秀丸アップデーター」

新しい環境に「秀丸」製品をまとめてセットアップしたいといった場合にも便利

「秀丸アップデーター」v1.1

 「秀丸アップデーター」は「秀丸」製品のアップデートをチェックし、最新版があれば自動で更新してくれるスクリプト。現在、「秀丸エディタ」のマクロライブラリから無償でダウンロードできる。

 「秀丸エディタ」や「秀丸メール」といった人気アプリで知られる秀まるお氏率いるサイトー企画は、現在でも精力的に製品のメンテナンスを行っており、「秀丸」製品は比較的頻繁にバージョンアップが実施されている。

 しかし、「秀丸」製品にはアップデートの確認を行う機能は備わっているものの、それを自動で行う機能は備わっておらず、公式サイトへアクセスしてインストーラーをダウンロードし、実行しなければならない。このことが苦で、ついつい古いバージョンをそのまま使い続けているというユーザーも少なくないのではないだろうか。

「秀丸ファイラー」の更新チェックコマンド。インストーラーのダウンロード・実行まではやってくれない

 「秀丸アップデーター」は、そんなユーザーにお勧めのスクリプトだ。「秀丸エディタ」をはじめとする「秀丸」製品の公開バージョンをチェックし、必要であればインストーラーのダウンロードから実行までをまとめて行ってくれる。新しい環境に「秀丸」製品をまとめてセットアップしたいといった場合にも便利だ。

「秀丸」製品の公開バージョンをチェックし、必要であればインストーラーのダウンロードから実行までをまとめて行う。新しい環境に「秀丸」製品をまとめてセットアップしたいといった場合にも便利

 本スクリプト(hideup.js)が初期状態で対応している「秀丸」製品は、以下の9つだ。

  • 秀丸エディタ
  • 秀丸パブリッシャー
  • 秀丸ファイラー
  • 秀丸メール
  • HTMLメールViewer
  • アドレス帳シンクロナイザ
  • 簡単ネット検索アドイン
  • 秀丸スタートメニュー
  • パスワード総合管理

 スクリプトは「Windows Script Host」(WSH)で動作するJScriptになっており、多くのWindows環境でそのまま実行できる。

「hideup.js」をダブルクリックすると、「WSH」で実行される

 初期設定ではすべてのアプリの「通常の最新版」がインストール・アップデートされる仕組みになっているが、これは設定ファイル(hideup.ini)を書き換えることでカスタマイズ可能。たとえば、特定のアプリをインストールしたくない場合は、そのアプリのセクションに「ignore = 1」と追記すればよい。

[秀丸パブリッシャー]
url = hmpv.html
regist = Hmpv
file = hmpv<ver>_signed.exe
ignore = 1 # この行を追記

 先行開発版(ベータ版)や最新版の1つ前の安定したバージョンをインストールしたい場合は、以下のように「num_ver」を指定する。

[秀丸パブリッシャー]
url = hmpv.html
regist = Hmpv
file = hmpv<ver>_signed.exe
num_ver = 1 # 先行開発版(ベータ版)をインストール。
num_ver = 2 # 通常の最新版をインストール。
num_ver = 3 # 一つ前の版、なければ通常の最新版をインストール。

 さらに、「num_ver_」のあとにPC名をつなげることで、当該PCにだけ特定のバージョンをインストールするように構成することも可能。「特定のデバイスだけベータ版を入れておく」といった用途に使える。

[秀丸パブリッシャー]
url = hmpv.html
regist = Hmpv
file = hmpv<ver>_signed.exe
num_ver = 2 # 通常のPCには最新版をインストール。
num_ver_testPC = 1 # 「testPC」というPCにだけベータ版をインストール

 これはアップデートスクリプトと設定ファイルの一式を「OneDrive」に保存して利用するシナリオを想定しているという。

設定ファイル(hideup.ini)を書き換えることで、各種カスタマイズが可能

ソフトウェア情報

「秀丸アップデーター」
【著作権者】
suzu 氏
【対応OS】
(編集部にてWindows 11で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.1(22/08/22)