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「秀丸エディタ」がモダナイズ! JavaScript対応マクロで可能性を切り開くv9.19が公開

プライベートモードにも対応

ツールバーをモダンにカスタマイズしやすくなった「秀丸エディタ」v9.19

 (有)サイトー企画は10月27日、定番テキストエディター「秀丸エディタ」の最新版v9.19を正式公開した。本バージョンでは、マクロがJavaScriptに対応するなど、多くの改善が盛り込まれている。

ユーザーインターフェイスのモダナイズ

 まず、ツールバーのカスタマイズが改善。定義ファイルでデザインを指定できるようになった。定義ファイルはJSON形式で記述する仕組みになっており、フォントと色を指定するだけでコマンドボタンをカスタマイズできる。

従来のツールバーカスタマイズダイアログ。ツールバーの右クリックメニューなどからアクセス可能
新しいツールバーカスタマイズダイアログ。定義ファイルでデザインを指定できる

 公式サイトに「Nerd Font」サンプルが用意されているので、それを元に定義ファイルを作成すれば、「秀丸エディタ」の外観をモダンにするのも簡単だ。もちろん、従来のクラシックな見栄えが気に入っているならば、そのままにしておいてもよい。初期状態のデザインに変更はない。

初期状態のデザイン

 なお、ツールバーの文字列を変更できるようになった関係で、検索オプションの単語の検索、大文字/小文字の区別、正規表現のON/OFFを切り替えるだけのコマンドも追加されている。これを利用すれば、検索ツールバーのようなものを作成することも可能だ。

 そのほかにも、ダークモードの適用範囲が広がった。検索やgrep、クリップボード履歴といったダイアログでもダークモードがサポートされている。

JavaScript対応

 機能面における強化の目玉は、「js{...}」でマクロ内にJavaScriptを埋め込めるようになったことだ。JavaScriptモードには「HidemaruGlobal」オブジェクトがグローバル展開されており、使い慣れた「秀丸エディタ」のマクロ関数もほぼそのまま利用できる。マクロとJavaScriptのいいとこどりができるわけだ。外部のプログラムの応答を待たずに次の処理を行う非同期処理も行える。

「秀丸エディタ」のマクロヘルプ。JavaScript対応に関する項目も追加されている

 また、従来のように「WSH」(Windows Script Host)を使うのではなく、「WebView2」や「Chakra」をスクリプトエンジンに利用することも可能。「WebView2」(Chromium+V8)を指定すれば、「Microsoft Edge」「Google Chrome」と同じ「V8」エンジンが使える。

 これを応用した例としては、文章校正を行う「textlint」への対応や、「Visual Studio Code」でプログラミング言語対応を追加する仕組みとしても採用されている言語サーバー(Language Server)の利用などが挙げられている。「秀丸エディタ」の可能性を飛躍的に広げる機能として注目したい。

プライベートモード

 「秀丸エディタ」v9.19で導入された「プライベートモード」は、設定が初期状態で保存されず、既存の「秀丸エディタ」とは関係のない別のアプリとして分離実行できる機能だ。

プライベートモードの「秀丸エディタ」

 プライベートモードの「秀丸エディタ」は。起動オプションに「/@private」を指定することで利用可能。マクロの同時実行や、検索文字列などを競合なしで利用したい場合に便利だ。

「mac:」ブックマーク

 そのほかにも、簡単なマクロならばファイルではなくブックマークとして保存できるようになった。先頭に「mac:」と記述するだけなので、ワンライナー(1行で済むマクロ)ならばブックマークにしておいた方が便利だろう。

 「秀丸エディタ」はWindows XP/Vista/7/8/8.1/10/11に対応する4,400円のシェアウェアで、現在同社のWebサイトからダウンロード可能。Windows 10/11以降であれば「Microsoft Store」からも購入できる。

ソフトウェア情報

「秀丸エディタ」
【著作権者】
(有)サイトー企画
【対応OS】
Windows XP/Vista/7/8/8.1/10/11
【ソフト種別】
シェアウェア 4,400円
【バージョン】
9.19(22/10/27)