【第66回】
多機能で使いやすいWebブラウザー「Sleipnir Mobile for Android」
ジェスチャーやタブグループ、ブックマーク同期など便利な機能を多数備える
(11/09/21)
『杜のAndroid研究室』では、スマートフォン向けOS“Android(アンドロイド)”をテーマに、窓の杜スタッフが厳選したアプリなどを紹介していく。今回は、タブ切り替え型のWebブラウザー「Sleipnir Mobile for Android」に焦点を当て、その使い方と機能を紹介しよう。
多数のタブを開いてWebブラウジングする際に使いやすいWebブラウザー
「Sleipnir Mobile for Android」は、定番のWindows用Webブラウザー「Sleipnir」を開発するフェンリル(株)製のWebブラウザー。ジェスチャーによる操作やタブグループなどユニークな機能を備えており、多数のタブを開いてWebブラウジングする際に使いやすいのが特長。
また、現在RC版が公開されているWindows版の「Sleipnir 3」、ベータ版が公開されているMac版の「Sleipnir for Mac」、iOS版の「Sleipnir Mobile」とブックマークを同期できる“Fenrir Pass”機能を備えており、複数のデバイスで同じブックマークを利用できるのもうれしい。
基本機能も充実
画面は、下部に開いているタブのサムネイルが常時表示され、Webページの最上部にブックマークへの追加ボタンとページタイトル、更新ボタンが表示される。ページタイトル部分はタップするとURL入力欄に切り替わり、ここにキーワードを入力して各種Web検索を行うことも可能。
Webページ上のテキストを長押しするとポップアップメニューが現れ、テキストを選択したり、表示中のWebページをブックマークへ追加できるほか、Androidの“共有”機能を使って表示中のWebページをほかのアプリへ送ることが可能。加えて、画像上の長押しではその画像をダウンロードしたり、画像を“共有”することができる。
また、リンクを長押しするとリンク先のWebページを新規タブで開くことが可能。そのほか、テキストを選択すると表示されるポップアップから、直接テキストのコピーやWeb検索も行える。
新規タブには、同社の運営するポータルサイト“Sleipnir Start”のほか、よく使うWebページのサムネイルとWeb検索欄、ブックマーク管理画面へのリンクなどを備えたページを開くことが可能。また、“Sleipnir Start”の代わりに任意のWebページを開くように設定することもできる。
さらに、端末を横に倒すとWebページを横長の画面で表示するとともに、画面下部へ表示されていたタブのサムネイルが非表示になる。横幅が広い場合が多いパソコン向けWebサイトを表示する際に、画面を最大限に広げて閲覧することができて便利。
メニューからはページ内検索やダウンロード履歴の表示が可能
メニューボタンを押すと表示されるメニューからは、タブグループの一覧を表示したり、Webページをブックマークへ追加できるほか、縦画面のままタブのサムネイルを非表示にする[最大化]項目も用意されている。さらに、[その他]項目からはページ内検索を行ったり、ファイルのダウンロード履歴画面を表示できるほか、設定画面を呼び出すことが可能。
ページ内検索では、画面上部に現れる入力欄へキーワードを入力すると、入力途中でも即座にWebページ内の該当するテキストが強調表示される。また、キーワードの確定後は該当するテキストがすべて強調表示され、入力欄の右側にある三角形のボタンでフォーカスを当てるテキストを進めたり、戻したりすることが可能。
ダウンロード履歴画面では、ダウンロードしたファイルの履歴をリスト表示でき、リスト上の項目をタップすると該当ファイルを開ける。
画面上を特定の方向へなぞって操作するジェスチャー機能
ジェスチャー機能を使えば画面上を特定の方向へなぞるだけで、さまざまな操作を実行できる。たとえば、Webページを左右の端までスクロールした状態でさらに左右へフリックすると隣のタブへ切り替えられるほか、“上”→“左”・“上”→“右”というジェスチャーで戻る・進む操作を行える。
また、“下”→“右”というジェスチャーでタブを閉じられるほか、画面上で時計回りに円を描くと表示中のWebページを更新可能。さらに、2回連続で円を描くと表示中のタブグループに含まれるWebページをすべて更新できる。そのほか、“U”字を描くように“下”→“右”→“上”となぞると直前に閉じたタブを復元でき、“S”字を描くように“左下”→“右下”→“左下”となぞると検索・URL入力欄を表示可能だ。
加えて、タブのサムネイルを下へフリックするとそのタブを閉じられるほか、上へフリックするとタブグループ一覧を表示可能。そのほか、サムネイルをダブルタップすると、ジェスチャーなどの操作でタブを閉じられないように保護することができる。これらのジェスチャーを使いこなせば、端末のボタンを押さなくてもほとんどの操作ができるため、すばやいWebブラウジングが可能となる。
大量に開いたタブをグループ分けして整理
タブグループ機能を使えば、大量に開いたタブをグループ分けして整理することが可能。グループ分けするには、まずサムネイルのフリック操作やメニュー項目からタブグループ一覧を表示する。次に、表示されたサムネイルを長押しし、そのままドラッグして別のタブグループへドロップすればよい。
また、ドラッグしたサムネイルを画面下部の“ドラッグしてタブを閉じる”領域にドロップするとタブを閉じることが可能。さらに、タブグループの右端にある[×]ボタンを押せばタブグループ内のタブをすべて閉じることもできる。そのほか、タブグループ上の[+]ボタンを押せば、そのタブグループに新規タブを追加可能。
「FenrirFS」風のブックマーク管理
ブックマークは一般的なフォルダによる管理と、Windows用ファイル管理ソフト「FenrirFS」風の管理を切り替えられる。「FenrirFS」風のブックマーク管理では、ブックマークに複数の“ラベル”を付加して管理できるほか、よく使うブックマークには“リボン”を付加してすばやく呼び出せるようにすることが可能。
Webページをブックマークへ追加すると、まずブックマーク管理画面の“トレイ”へ格納されるので、あとからラベルを付加して分類するとよい。また、分類後は“アーカイブ”することでトレイに表示されなくなる仕組み。
ラベルを付加するには、まずブックマーク管理画面でブックマークを長押しすると表示されるメニューから、[編集]項目を選び“ブックマークを編集”ダイアログを表示する。“ブックマークを編集”ダイアログの[ラベルを付ける]ボタンを押すとラベルの一覧が表示されるので、付加したいラベルの右側にあるチェックボックスをONにすればよい。
ブックマークの管理画面からは、“Fenrir Pass”の設定を行うことも可能。“Fenrir Pass”の設定画面はメニューの[同期]項目から表示でき、“Fenrir Pass”へのログインのほか、新規アカウントの作成も可能。また、ログインした状態では、手動で同期を行ったり、同期を自動で行うかどうかを設定できるほか、無線LAN接続時にのみ自動同期を行うオプションも用意されている。
そのほか、ブックマークへ登録して呼び出すことでさまざまな機能を実行できるブックマークレットのライブラリサイト“Tapmarklets”との連携機能も備える。“Tapmarklets”のブックマークレット紹介ページ上にある[Sleipnir Mobileで登録する]ボタンを押すだけで、そのブックマークレットをブックマークに追加することが可能で、煩わしいブックマークレットの登録をすばやく行うことができて便利。
- 【著作権者】
- フェンリル(株)
- 【対応OS】
- Android 2.1以降
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 1.0.0(11/09/15)