いまさら聞けないExcelの使い方講座
【Excel】データを並べ替えながら編集したら最初の順番に戻せなくなった!エクセルで並び順を初期状態へ戻すテク
2017年10月20日 06:55
Excel(エクセル)は、仕事や普段の生活で使う機会の多い、最も身近なアプリケーションのひとつです。しかし、「イマイチよくわからないまま使っている」「実は少し苦手……」という人も多いのではないでしょうか? この連載では、いまさら人に聞けないけど、知っていれば必ず役に立つ、Excelを使いこなすためのノウハウを紹介します。
[元に戻す]では戻せなくなったデータの順番を戻したい!
「データの並べ替え」は、名簿を50音順にしたり、売り上げをランキングにしたり、さまざまな場面で活躍する機能です。多くの人がこの機能を活用していると思いますが、並べ替えのあとで元の順番に戻す方法がなく困った経験はありませんか。
並べ替えの直後なら、画面左上のクイックアクセスツールバーにある[元に戻す]ボタンで元の順番を復元できます。しかし並べ替えのあとでファイルを開きなおしたりすると、この方法は使えません。また、並べ替えのあとにデータを変更した場合、順番だけを戻すことはできません。このように、[元に戻す]に頼っていると、融通が利かず不便な思いをします。
今回は、[元に戻す]を使わなくても確実にデータの順番を元に戻せるテクニックを紹介します。これを使えば、いつでも好きな時にデータを元の順番に戻せ、しかも並べ替え後に行った編集はそのまま残ります。並び替えを行う前にひと工夫するだけなので、ぜひ使ってみてください。
並べ替えを行う前に番号を振っておく
テクニックの内容は簡単です。並べ替えを行う前に新しい列を挿入して、上から順番に番号を振っておくのです。こうすることで、並べ替えを行ったあとでも、その番号をキーにして並べ替えを行えば簡単に元の順番に戻せます。
都道府県別の売上一覧の表を例に具体的な手順を見てみましょう。この表は、北から順に並ぶ都道府県ごとに売上が記入されています。
まず、新しい列を挿入するA列の列見出しをクリックして選択します(①)。そして、[ホーム]タブ(②)→[挿入](③)→[シートの列を挿入](④)をクリックします。
新しい列がA列に挿入されました(⑤)。挿入オプションのアイコン(⑥)をクリックして表示されたメニューの中の[右側と同じ書式を適用](⑦)をクリックして、A列に表の書式を適用します。
次に、表見出しのセルA2に「No.」などわかりやすい見出しを入力します(⑧)。そして、そのすぐ下のセルA3に「1」と入力します(⑨)。
「1」を入力したセルA3の右下にマウスポインターを近づけると、マウスポインターが十字に変化します(⑩)。その状態でクリックして、表の一番下の行(19行目)までドラッグします(⑪)。
オートフィル機能により、ドラッグで選択されたセル範囲A3:A19に「1」が入力されました(⑫)。選択範囲の右下に表示されているオートフィルオプションのアイコン(⑬)をクリックして表示されたメニューの中の[連続データ](⑭)をクリックします。
オートフィル機能によって、セル範囲A3:A19に連番が入力されました(⑮)。これで必要な作業は終了です。
[元に戻す]を使わなくても確実に元の順番に戻せる!
では実際に、並べ替えを行ったデータを元の順番に戻してみます。
最初に、番号を振った状態の表を並べ替えてみましょう。G列に入力されている合計額をキーにして降順で並べ替えを実行します。
「合計」と入力されているセルG2(①)を選択して、[データ]タブ(②)→[降順](③)をクリックします。
合計額の多い順番に都道府県が並べ替えられました(④)。
ここで、A列の連番をキーにして昇順で並べ替えを行ってみます。「No.」と入力されているセルA2(⑤)を選択し、[データ]タブ(⑥)→[昇順](⑦)をクリックします。
都道府県が北から順に並び、元通りの順番になりました(⑧)。
元の順番に戻すかもしれない時は並べ替えの前に連番を付ける
今回は、「データの並べ替え」機能を使ってデータを並べ替えたあと、いつでも確実に元の順番に戻すためのテクニックを紹介しました。この方法を使えば、「もしかしたらあとで順番を元に戻すかも……」という時にも安心して並べ替えを行えます。
「データの並べ替え」機能をより便利に使えるこのテクニックで、仕事の効率をさらにアップさせてくださいね。