いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】「円」をベタ書きするのは絶対NG!ユーザー定義の表示形式で設定しましょう

金額欄に「円」が入力されていて数式が使えない!

 印刷して手書きで記入することを前提に作られた資料をそのままオンライン用として使ったら、非常に使いづらくて困ったという経験のある人は少なくないのではないでしょうか。

 次の「経費精算書」を見てください。セル範囲G8:G16(①)の金額欄には、「円」という文字が入力されています。手書きで「1,000円」のように記入する場合なら、「円」を書く手間が省けるので効率的です。でも、パソコンで入力する際、この「円」という文字がセルに入力されていると、入力値は文字列と認識されてしまい、数値の計算などができません。

 せっかく、Excelを使っているのに、計算は暗算や電卓で行う……なんていうことになったら馬鹿らしいですよね。Excelには、実際の入力値は数値のままで、見た目だけ「1,000円」のように単位や桁区切りのカンマを付けて表示できる機能があります。実際の入力値は数値なので、計算もできます。この機能を「ユーザー定義の表示形式」といいます。今回は、このユーザー定義の表示形式の設定方法について解説します。

ユーザー定義の表示形式を設定する

 冒頭で紹介した「経費精算書」の例を使ってやってみましょう。あらかじめ「金額」列(セル範囲G8:G16)から「円」という文字は削除し、セルG8には「1000」とだけ入力しておきます。ユーザー定義の表示形式を設定したいセル範囲(G8:G16)(①)を選択した状態で、[ホーム]タブ(②)の[数値]にある矢印ボタン(③)をクリックします。

 [セルの書式設定]ダイアログボックスが表示されます。[表示形式]タブ(④)が選択されていることを確認し、左側のメニューから[ユーザー定義](⑤)をクリックします。ここで、自分の好きなように表示形式を定義できます。

 今回の例では、「1,000円」のように単位と桁区切りのカンマが表示されるように設定してみましょう。[種類]欄に「#,##0"円"」(⑥)と入力します。[サンプル]欄にプレビューが表示されるので確認し(⑦)、[OK](⑧)をクリックしてダイアログボックスを閉じます。

 なお、ここで使用しているユーザー定義の書式の詳細については、以前の記事を参照してください。

 シートに戻ると、セルG8に「1,000円」(⑨)と表示されています。「円」という単位と、桁区切りのカンマが付いていますね。セルG8を選択して数式バーを見ると、「1000」(⑩)のままなので、実際の入力値は数値であることもわかります。

 では次に、9行目にもう1件データを入力し、数式を使って合計金額を計算できるかどうか試してみましょう。9行目に必要項目を入力していきます(セルG9には「1500」と数値だけを入力します)(⑪)。

 「合計金額」欄のセルG16に、金額を集計してみましょう。セルG16(⑫)を選択した状態で、[ホーム]タブ(⑬)→[Σ](合計)(⑭)をクリックします。

 すると、セル範囲G8:G15が自動的に選択され(⑮)、セルG16には「SUM(G8:G15)」(⑯)という数式が自動的に入力されます。再度、[Σ](合計)(⑰)をクリックして、数式を確定します。

 セルG16に合計金額が正確に算出されましたね(⑱)。続けて、「請求金額合計」の欄(⑲)にも合計金額が表示されるようにしてみましょう。

 セルD4に入力されていた「円」を削除し、「=G16」(⑳)と入力して、「Enter」キーを押します。

「請求金額合計」の欄にも、正しく合計金額を表示できました(㉑)。

「単位はベタ書きしない」ルールにしよう

 今回は、ユーザー定義の表示形式を設定して、実際の入力値は数値のままで、見た目だけ「○○円」のように単位を付けて表示する方法を解説しました。印刷して使用することが前提の資料では、「円」などと入力しておいたほうがラクですが、パソコンで入力する際は数式などが使えなくなるため、使用しないほうがいいです。今回解説した方法を使って、入力値は数値のままで、見た目だけ「○○」円のように表示させるようにしましょう。ぜひ、トライしてみてくださいね。