いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】作業中のブックを保存せずに閉じてしまった! 失われたはずのデータ復元策

保存せずに閉じてしまったファイルを復元したい!

さっきのファイル保存しなかった!? 万が一に備えよう

 次の予定があるから急いでファイルを閉じたけど、保存していなかった気がする。ファイルを開いたら、予想通り作業内容が消えていた……。なんて経験ありませんか? 充電切れで急にパソコンがOFFになってしまうこともあります。

 こまめに[Ctrl]+[S]で上書き保存する習慣があっても、そういう時に限ってなぜか保存してないものですよね。万が一に備えて自動保存の設定を見直しておきましょう。

自分のパソコンには[自動回復用データ](①)を保存するように設定しておきます
インターネット接続が前提なら、自動保存は「有効」(②)がおすすめ

[自動回復用データ]の設定を見直す

 Excelを使いはじめたら、まず確認しておきたい定番の設定です。リボンの[ファイル]タブから[オプション]をクリックして[Excelのオプション]の画面を表示します。

[ファイル]タブから[オプション]をクリックして[Excelのオプション]の画面を表示し、[保存]画面(③)を開きます。[次の間隔で自動回復用データを保存する](④)にチェックが付いていることを確認します。標準の設定では[10分](⑤)となっているはずです。
任意の時間に設定します。ここでは「5」(⑥)としました。5分間隔という意味です。1分から設定できますが、短すぎるとパソコンに負荷がかかります。[OK](⑦)をクリックします。

 これだけでデータの消失を減らせます。自動回復用ファイルの保存間隔が短いほど、頻繁に保存されますが、それだけパソコンに負荷がかかります。パソコンの性能によっては動作が遅くなる可能性もあるので、バランスを考えて設定しましょう。また、この設定は現在開いているファイルだけでなく、Excel全体の設定ということを覚えておいてください。

[自動回復用データ]を開く

 [自動回復用データ]の設定がされていれば、未保存でも復活できる可能性は大きいです。保存せずに閉じてしまったファイルを開きます。当然、入力途中のデータが消えている状態で開きますが、落ち着いて[ファイル]タブから[情報]を確認しましょう。

保存せずに閉じてしまったファイルを開きました。入力途中のデータは消えてしまっています(⑧)が、このまま[ファイル]タブ(⑨)をクリックします。
[情報]画面(⑩)を開きます。[自動回復用データ]が保存されている場合、[ブックの管理]の項目に履歴(⑪)が表示されています。クリックしましょう。
[復元された未保存のファイル](⑫)と表示されてファイルが開きます。入力途中のデータも復元されています(⑬)。問題なければ[名前を付けて保存](⑭)をクリックして、新しいファイルとして保存します。もちろん上書き保存でも構いません。

自動保存を「有効」にしておく

 仕事でパソコンを使っているなら、インターネットに常時接続しているでしょう。画面左上にある[自動保存]のスイッチをONにしておくことをオススメします。これだけで、OneDriveへの自動保存が有効になります。

 ただし、インターネット接続のない環境で作業していた場合、自動保存はされません。自動保存前にパソコンの電源がOFFになってしまった時も同様です。

画面左上にある[自動保存]のスイッチをクリックしてONにします(⑮)

 もう1点、作業中のファイルの保存場所に注意してください。OneDriveの設定により、パソコン上のフォルダーの同期・非同期の状態は異なります。例えば[ドキュメント]フォルダーはOneDriveと同期していても、[デスクトップ]は同期していないようなケースです。

 この時デスクトップにあるファイルを[自動保存]した場合、OneDriveのアカウントを確認する画面が表示されます。アカウントを選択すると、OneDriveの[ドキュメント]フォルダーに、そのファイルが保存(アップロード)されて、自動保存が有効になります。

 問題ないように思えますが、[自動保存]が有効なのは、そのファイルの作業中だけです。再び、同じファイルを開くと[自動保存]のスイッチはOFFになります。スムーズに同期するには、OneDriveと同期しているフォルダー内で作業しましょう。

画面左上にある[自動保存]のスイッチをクリックします(⑯)
OneDriveと同期していないフォルダーにあるファイルで[自動保存]をONにしようとすると、ファイルの保存場所(OneDriveのアカウント)を確認されます。[アカウント](⑰)をクリックします
スイッチがONになり、OneDriveに保存(アップロード)されます(⑱)が、ファイルを閉じると[自動保存]のスイッチは再びOFFになります。常に[自動保存]をONにしたい時は、OneDriveと同期しているフォルダー内で作業しましょう

ローカルとクラウドの2段階でファイルを守ろう

 せっかく作業したデータを失ってしまうのはショックですよね。自動回復用ファイルの保存期間と「自動保存」の2段階で、うっかりミスを回避しましょう。