いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】忘れちゃいけない表作成の基本! 使いこなせば圧倒的な時短に

基本操作の組み合わせで効率的に表作成できます

表作成に必須の基本機能を覚えておこう

 集計表やチェックリストなど、Excelを使って表作成することは多いでしょう。既存の表を作り替えることもありますよね。新入社員なら、研修レポートをExcelでまとめて提出するように指示されたりして……。資料の作成時間や仕上がりからパソコンのスキルをチェックされているかもしれません。

 今回は表作成によく使う機能をまとめました。基本的な機能を侮ってはいけません。組み合わせれば圧倒的な時短効果が期待できます。前回紹介したショートカットとあわせて覚えておくと効率的に作業できますよ。

行列を入れ替えて貼り付け

 左端の列と上端の行に見出しがある表の行列(縦横)を入れ替えたいことがたまにあります。たまにしか使わないので忘れがちですが、セルをひとつずつコピペしてはいけません。貼り付け時のオプションとして用意されている[行/列の入れ替え]の機能を知っておきましょう。入力済みの数式のセル参照も自動的に修正されるので時短効果“大”です。

行列(縦横)を入れ替えたい表を選択して、コピー([Ctrl]+[C])(①)します
貼り付け先のセルを右クリック(②)して、[行/列の入れ替え](③)を選択します
行列(縦横)が入れ替わって貼り付けられました。数式中のセル参照も自動的に修正されていることがわかります

セルの書式は[セルの書式設定]で整える

 先ほどの行列を入れ替えて貼り付けた表は、書式がバラバラになってしまっています。効率的に整えるには[セルの書式設定]ダイアログボックスが便利です。[Ctrl]+[1]キーで呼び出せます。表の体裁として気になるのはセルの背景色と罫線なので、[罫線]タブと[塗りつぶし]タブをうまく使いましょう。

書式を設定したいセル範囲を選択して[Ctrl]+[1]を押すと(④)、[セルの書式設定]ダイアログボックスが表示されます
[罫線]タブ(⑤)をクリックします。[なし](⑥)をクリックして、プレビュー(⑦)に罫線が表示されていないことを確認しましょう
[塗りつぶし]タブ(⑧)に切り替えます。[色なし](⑨)をクリックして、[OK](⑩)をクリックします
セルの背景色と罫線を消去できました

 セルの書式を消去する際、[ホーム]タブにある[クリア]-[書式のクリア]を使う操作は注意が必要です。日付やパーセントスタイルなどのセルの表示形式もまとめて“クリア”されてしまうので余計に手間がかかることがあります。この例では、桁区切り記号とパーセントスタイルも消去されてしまいます。

[ホーム]タブにある[クリア]-[書式のクリア](⑪)の操作は慎重に。日付やパーセントスタイルなどのセルの表示形式もまとめて“クリア”されてしまいます

空白セルをまとめて選択&データの一括入力

 表中に含まれる空白セルを選択する際、[Ctrl]キーを押しながら何度もクリックしていませんか? クリックし間違えたりすることもありますよね。そもそも空白セルの数が多いとクリックし続けるのにも嫌気がさします。[ジャンプ]ダイアログボックスから[選択オプション]を使いましょう。

空白セルを含むセル範囲を選択しておきます。[Ctrl]+[G]キーを押して(⑯)[ジャンプ]ダイアログボックスが表示されます。[セル選択](⑰)をクリックします。
[選択オプション]ダイアログボックスが表示されました。[空白セル](⑱)を選択して[OK](⑲)をクリックします
選択したセル範囲のうち、空白セルのみが選択されました

 選択した空白セルにデータを一括入力するテクニックも覚えておきましょう。複数の空白セルが選択された状態のままデータを入力して[Ctrl]+[Enter]キーを押します。

複数の空白セルが選択された状態のままデータを入力(⑳)して[Ctrl]+[Enter]キーを押します(㉑)
一括でデータが入力できました
このテクニックは自分で選択したセル範囲でも応用可能です。選択した任意のセルにデータを入力して[Ctrl]+[Enter]キーを押します

セル内の改行を削除する

 セルの文字列を入力中に[Alt]+[Enter]キーで改行できますが、複数のセルに含まれる改行をまとめて削除する方法は知っていますか? [検索と置換]ダイアログボックスで[Ctrl]+[J]キーを押す定番のテクニックです。

 [検索する文字列]の入力欄を選択して[Ctrl]+[J]キーを押すと、改行コードを示す「,」のような記号が表示されます。[置換後の文字列]は空白のまま置換することで、改行を削除できるわけです。

改行を含むセル範囲を選択して、[Ctrl]+[H]キーを押す(⑫)と[検索と置換]ダイアログボックスが表示されます。[検索する文字列]の入力欄を選択して[Ctrl]+[J]キーを押して(⑬)、[すべて置換](⑭)をクリックします
置換した件数が表示されます。[OK](⑮)をクリックします
セル内の改行をまとめて削除できました

「テーブル」の利用も検討する

 データベースのように扱う表を作成する場合は「テーブル」の機能の利用も検討しましょう。テーブルに変換することで、表をひとつのまとまりとして扱えるようになります。デザインの一括指定やフィルターボタンの表示のほか、テーブル名を参照することで数式を簡略化することも可能です。

テーブルに変換したい表中のセルを選択しておきます。[挿入]タブ(㉒)の[テーブル](㉓)をクリックします
[テーブルの作成]ダイアログボックスが表示されました。テーブルに変換するセル範囲(㉔)が正しいことを確認して[OK](㉕)をクリックします
表がテーブルに変換されました。テーブル内のセルを選択中は[テーブルデザイン]タブ(㉖)が表示されます。また、デザインは[テーブルスタイル](㉗)から変更可能です
追加のデータを入力します(㉘)
テーブルの範囲が広がりました

 テーブル中のセルに数式を入力すると、同じ列(フィールド)のセルには、数式が一括で入力されます。なお、数式の入力中に「=[@単価]*[@個数]」などと表示されることがありますが、これは「構造化参照」と呼ばれる参照方式で、テーブル中の列(フィールド)を示す表現方法なので問題なく正しい結果が表示されます。

[売上]列のセルE2に「=C2*D2」と入力します(㉙)
セルE3より下に自動的に数式が入力されました(㉚)

ずっと利用する基本の操作を覚えておこう

 データの手入力やコピペを繰り返すのは非効率的ですよね。今回紹介したテクニックは、Excelを使ううえで避けられない操作ばかりです。ぜひ使いこなしてください。