REPT関数、もしくは「データバー」を利用しよう
わざわざグラフを作るほどではないけど、数値データを視覚化したいことがありませんか? 10点満点の評価や100%の達成度など、似たようなデータが並ぶ時は、ぱっと見て判断できると説得力がありますよね。
例えば、以下は新人研修の達成度を簡易的にグラフで表現しました。「40%」「60%」などと数値が並んでいるより見やすいですよね。誰がどれくらいの達成度なのかがすぐにわかります。
条件付き書式の「データバー」を利用して達成度を表現しています 今回紹介するのは、REPT(リピート)関数と条件付き書式の「データバー」を利用して、簡易的なグラフを作る方法です。どちらも定番のテクニックなので、使う機会も多いと思います。さっそく作ってみましょう。
REPT関数で「|」をくり返し表示する
最初にREPT関数の構文を紹介します。任意の文字列を指定した回数だけくり返し表示する関数です。
REPT関数の構文。引数[文字列]に表示したい文字列、[繰り返し回数]には数値を指定します。評価するセルを参照すれば、その数分[文字列]がくり返されます。小数点以下は切り捨てられます。 ここで紹介するサンプルでは、「○」の数をCOUNTA関数で数えて、全体で5つの項目中の割合を達成度としています。セルG3に入力されている数式は「=COUNTA(B3:F3)/5」となります。表示形式を[パーセンテージ]に設定しているので、3/5の結果は「60%」となります。
ここでは「|」をくり返し表示してみます。セルG3に入力済みの達成度を参照して、引数[繰り返し回数]を指定します。「*20」は、参照先のセルG3の値が「0.6」のため、任意の数値をかけて繰り返し回数を増やしています。「*10」などと指定しても構いません。
セルG3の数式は「=COUNTA(B3:F3)/5」です(①)。表示形式を[パーセンテージ](②)に設定しているので、3/5の結果は「60%」となります(③) セルH3に「=REPT("|",G3*20)」と入力します(④)。「*20」は、参照先のセルG3の値が「0.6」のため、任意の数値をかけて繰り返し回数を増やしています。「*10」などと指定しても構いません。 数式をコピーすれば、ほかのセルにも簡易的なグラフを表示できます なお、フォントを変えてグラフらしく表示したり、引数[文字列]を変えたりすることも可能です。フォントの色を変更してみてもいいですね。
数式は変えずに、セルH3~H12のフォントを「Britannic Bold」に変えた状態です 引数[文字列]に「■」と指定しました。[繰り返し回数]は「G3*5」に変更しています 条件付き書式の「データバー」を利用する
簡易的なグラフ作成には、条件付き書式の「データバー」もおすすめです。数値とセットで利用するイメージがありますが、数値を消して棒グラフだけ表示することが可能です。
まず、グラフ化するデータが入力されているセルを参照しておきます。[条件付き書式]-[データバー]からグラフの種類を選択して、データの範囲を調整するのがポイントです。
セルH3には「=G3」と入力してあります(⑤)。セルG3をそのまま参照する数式です。セルH4~H12にも同様の数式が入力されています データバーを設定したいセル範囲(ここではH3~H12)を選択します(⑥)。[ホーム]タブ(⑦)の[条件付き書式](⑧)-[データバー](⑨)の順にクリックして、好みの色のデータバーを選択します(⑩) 続けて[条件付き書式](⑪)-[ルールの管理](⑫)をクリックします [条件付き書式ルールの管理]ダイアログボックスが表示されます。設定された条件(⑬)をダブルクリックします [棒のみ表示](⑭)にチェックを付けます。[最小値]と[最大値]に[数値](⑮)を指定して、それぞれ「0」(⑯)と「1」(⑰)と指定します。参照する値がパーセント表示のためです。[OK](⑱)をクリックします [条件付き書式ルールの管理]ダイアログボックスに戻ります。[OK](⑲)をクリックします ひと工夫でデータを読みやすくしてみよう
データバーは[最小値]と[最大値]の範囲指定を忘れないように注意してください。このサンプルでは、参照する値が0~100%、つまり実際の値は「0」~「1」となるため、[最小値]を「0」、[最大値]を「1」と指定しました。参照する値によって設定してください。
関数に慣れている人はREPT関数が使いやすく感じるかもしれませんね。条件付き書式を組み合わせて、50%未満と50%以上で「|」の色を塗り分けるといった工夫できるでしょう。