いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】プチストレス解消で作業効率もアップ! 自分好みにカスタマイズする設定術

設定ひとつで作業効率アップ!

使いにくいと感じているなら見直したい設定

 エクセルを使った日々の作業の中で、何となく使いにくいと感じている操作がありませんか? 既存のデータを参照して補完するオートコンプリートは、お節介機能の代表格です。セルの選択時やデータの貼り付け時に表示される“オプション”ボタンが邪魔に感じる人もいるでしょう。

例えば、セルの選択時やデータの貼り付け時に表示される[クイック分析]が邪魔なことがありますよね? 意図せずにクリックしてしまうと、ほとんど使われないメニューが表示されます(①)

 また、データの確定時にアクティブセルが下に移動する標準の動作が嫌、という人もいます。これらの挙動は[Excelのオプション]で解決できます。今回は、日々の操作におけるストレスの要因を解消できるように設定を見直してみましょう。

 なお、[Excelのオプション]は[ファイル]タブの[オプション]から開かなくても、ショートカットキーで呼び出せます。キーボードで斜めに並ぶ[Alt]→[F]→[T]キーと、順番に押すだけなので覚えておくと便利です。

[Excelのオプション]を呼び出すショートカットキーです。斜めに並ぶ[Alt]→[F]→[T]キーを順番に押します

データ確定後のアクティブセルの動きを設定する

 [Excelのオプション]の[詳細設定]にある[Enterキーを押したら、セルを移動する]の項目で設定します。チェックをOFFにすると、データの確定後もアクティブセルは移動しません。慣れると意外と便利なのでおすすめの設定です。アクティブセルの移動先を下ではなく、右に設定することもできます。

[Excelのオプション]の[詳細設定](②)の[Enterキーを押したら、セルを移動する](③)のチェックをOFFにして、[OK](④)をクリックします。ONのまま[方向]のプルダウンリストから、アクティブセルの移動先を変更することもできます
データを入力して[Enter]キーを押します(⑤)
アクティブセルは移動しないようになりました(⑥)

オートコンプリートをOFFに設定する

 セルに数文字入力した時に候補として表示される“文字の候補”は昔から使いづらいと感じる人が多い機能です。思わず[Enter]キーを押したら入力されてしまうし、[Esc]キーを押したら入力がキャンセルされてしまいます。[Backspace]キーを押すのが正解ですが、毎回意識するのは面倒なので、設定を変更しておきましょう。

入力済みのデータが参照されて、候補が自動的に表示されています(⑦)。候補を消したい場合は[Backspace]キーを押しますが、邪魔に感じるなら設定を変更しておくことをおすすめします
[詳細設定](⑧)の[オートコンプリートを使用する](⑨)のチェックをOFFにして、[OK](⑩)をクリックします
入力候補が表示されなくなりました(⑪)

 なお、「(c)」から「©」や、「(r)」から「®」などに変換されないようにするには「オートコレクト」で設定します。

[文章校正](⑫)の[オートコレクトのオプション](⑬)をクリックします
[入力中に自動修正する](⑭)のチェックをOFFにして、[OK](⑮)をクリックします。[Excelのオプション]に戻るので[OK]をクリックしておきます

[クイック分析]オプションをOFFに設定する

 冒頭で紹介した[クイック分析]は、セルの選択時にも表示されるため邪魔に感じる人も多いでしょう。[Excelのオプション]の[全般]の項目からOFFに設定できます。

[クイック分析](⑯)のボタンはセルの選択時や他のファイルからデータを貼り付けた時に表示されます
[全般](⑰)の[選択時にクイック分析オプションを表示する](⑱)のチェックをOFFにして、[OK](⑲)をクリックします

 データを貼り付けた時に表示されるボタンには[貼り付けのオプション]もあります。値として、画像としてなど、貼り付けの形式を選択できる機能ですが、これも邪魔であればOFFにすることもできます。

シート内のセル範囲を貼り付けた場合に[貼り付けのオプション](⑳)ボタンが表示されます
[詳細設定](㉑)の[コンテンツを貼り付けるときに[貼り付けオプション]ボタンを表示する](㉒)のチェックをOFFにすると、[貼り付けのオプション]ボタンを非表示にできます

CSVデータの自動変換をOFFにする

 エクスプローラーでCSVファイルをダブルクリックした時に以下のようなメッセージ画面を見たことがありませんか? 先頭に「0」を含むデータが含まれている場合などに表示されます。[変換しない]をクリックすれば、元のCSVデータの形式を保ったままエクセルで表示できます。

元のCSVデータをメモ帳で開いた状態です
CSVファイルをダブルクリックした時に表示されるメッセージ。[変換しない](㉓)をクリックします
元のデータの形式を保ったまま表示されます

 毎回メッセージを表示したくない場合は設定を変更できます。ただし、データの変換を“有効”にして、メッセージを非表示にする設定はおすすめしません。上書き保存した場合、先頭の「0」は削除されてしまいます。

 設定は変更せずにメッセージが表示されるようにしておき、CSVファイルを開く時はPower Queryを使う方法をおすすめします。

[データ](㉔)の[.csvまたは同様の~](㉕)のチェックをOFFにすると、メッセージを非表示にできます。ただし、その場合は[Excelにテキストを入力~](㉖)のチェックもOFFにしておきます

 設定を少し見直すだけで、日々の作業ストレスは大きく軽減できます。自分のスタイルに合った環境を整えて、エクセルをもっと快適に活用しましょう。