高橋忍のにゃんともWindows
プレゼン資料を背景にしたオンライン会議を簡単に!更に機能アップした「Zoom」を試してみた
2020年8月24日 06:55
最近のオンラインミーティングや動画配信用のアプリで話題なのが、「mmhmm」。主に配信用ですね。登壇者の姿を出しつつ背景にプレゼンを表示するといった表示が簡単にできるようになっています。ただ、まだMac用しか無いんですよね。残念。そして「Microsoft Teams」は観客席のような表示ができるようになりました。
そんな中、「Microsoft Teams」や「mmhmm」に負けるものか!と言わんばかりに「Zoom」の新バージョン5.2がリリースされました。今回もなかなか興味深い機能が追加されていますのでご紹介します。
PowerPoint を背景に!
なんと言っても今回のアップデートの一番の目玉ですね。まだベータ機能ではありますが、「PowerPoint」のスライドショーを仮想背景として設定できるようになりました。設定は[共有画面]メニューからです。画面共有機能の一環なんですよね。
さて、この「PowerPoint」の背景機能ですが、背景なので自分を表示させることができます。ソレも自分の表示位置やサイズを自由に変えることができるんです。もともと「Zoom」には強力な背景を切り抜く機能がありました。なので背景を切り抜いて自分を表示させればもうYouTuberレイアウトの完成です!
こういった画面は、ソフトウェアであれば「OBS Studio」、ハードウェアならHDMIスイッチャーの“ATEM Mini”などを使って行います。しかしこういったアプリには背景を切り抜く機能がないので、自分の後ろにグリーンバックを用意しないといけません。しかし「Zoom」ならAIを使った背景切り抜き機能があるので、動画配信レイアウトをノートPC1台で実現できます。
さて、この「PowerPoint」は「Zoom」が自動的に裏で実行して、その画面を表示しているものですので自分で実行は不要です。画面した中央のボタンでページの切り替えもできます。ただ、現時点ではあくまでスライド画面を表示しているだけで、アニメーション等は動かないのでその点は注意して下さい。
終了するときは、画面上のメニューに有る共有の停止で元の画面に戻ります。
カメラの明るさ調整ができるようになりました
Web会議をしてみたら顔が暗いとみんなに言われて、リングライトとか買った人も多いと思います。「Zoom」では明るさ調整がなかったんですよね。PCのカメラのほとんどは明るさ調整機能がなく、あってもメニューにたどり着くまで面倒だったりします。しかし、今回は「Zoom」の標準機能でガメラ画像の明るさを調整することができるようになりました。これでもう眩しいリングライトも不要です!
カメラの明るさ調整をするには、設定画面の[ビデオ]にある[低照度に対して調整]を手動にしてスライダーで明るさ調整ができます。
実はこの機能はとても便利。どの場所でどのマシンでオンライン会議に参加しても、簡単に明るさ調整できるんですから。それに明るくした時の画像がとても自然でした。妙に白飛びしてしまったりコントラストがきつくなったりということもなかったです。優秀!
会議で使う?ビデオフィルター
さてビデオフィルターなるものが付きました。スマフォのARアプリなどでよくある、フレームを付けたり自分の顔にひげやサングラスを付けたりする機能です。この機能を使うには、設定画面の[背景とフィルター]にある[ビデオフィルター]欄の中からアクセサリーを選びます。
まだ数は少ないですが、今後増えるのかもしれませんね。
反応が増えました
これも結構良いアップデートだと思います。もともと発表者に対して反応する機能として、拍手と“いいね”を表示するボタンがありました。発表者が画面共有をして発表中は参加者の画面は小さく表示されますが、そこで“今の良かった!”の意思表示するための機能です。
今回拍手と“いいね”、以外にクラッカーや顔文字などが追加されました。日本では人の会話に割り込むことはあまり好まれないので、こういったボタンで意思表示をするのは文化的にあっていると思います。なので今回のバリエーションが増えたのは日本人にとっては良いアップデートかなと思います。
低スペックでも機能が使える
じつは、背景を切り抜いて仮想背景を使うにはそれなりのスペックのPCが必要でした。リアルタイムにAIを使った画像処理を行うわけですから仕方がないところがあります。
で、今回のアップデートでは、第8世代以降のCore i3でも仮想背景が使えるようになりました。また、仮想背景だけでなく画面共有でもハードウェアアクセラレーションを選択できるようになったりと、よりPCのパワーを使って機能が使えるようになっています。
Microsoft ソリューションとの連携
だいたい「Microsoft 365」を導入している企業では、「Outlook」をつかってスケジュールを管理して、「Microsoft Teams」を使ってオンラインミーティングを行っています。このあたりがシームレスに繋がっていて使いやすくなっています。「Zoom」もこれまでは「Gmail」と連携して、「Gmail」から「Zoom」の会議をボタン1つで設定できるようになっていましたが、今は「Zoom」と「Outlook」の連携ができるようになっています。
ちなみに、「Microsoft Teams」はまだ「Gmail」と連携はできていません。まぁ、Microsoftは対応しないでしょうね。
また、ファイル共有サービスの「SharePoint」との連携で、「SharePoint」から「Zoom」で直接ファイル共有する機能も追加されているようです。ただ、残念ながらこちらは私の環境では確認できず、私の画面には「Google Drive」しか出てくれませんでした。
にゃんとも激しい争奪戦
他のアプリに負けじと強力なアップデートをリリースした「Zoom」。もう他のアプリには負けないぜ!と言わんばかりの勢いです。
PCが1台と「Zoom」だけでYouTuberのような配信ビューが作れるのは強力です。「PowerPoint」背景のビューで配信する人にとっては楽になったかもしれません。このために「OBS Studio」を使っていた人には朗報でしょう。ただ、「OBS Studio」は非常に強力なアプリです。既に環境ができていて使いこなしている人なら「OBS Studio」を使うでしょう。そういう意味では、今回のアップデートで一番良かったのはカメラの明るさ調整な気がしますね。これでニャンズもきれいに写せそうですよ。