残業を減らす!Officeテクニック

動作が重すぎて辛い! Officeアプリが頻繁にフリーズするときの対処法

最近、Officeがよく固まる! といった時の対応策を覚えておこう

 ExcelやWord、PowerPointといったOfficeアプリが固まって応答しなくなった経験がありますよね。タイトルバーに「応答なし」と表示されたら、本当に応答なし。待っていても再び操作可能になることはほとんどありません。そういう時に限ってファイルを保存していないものです。

タイトルバーに「応答なし」と表示された状態

 また、一度「応答なし」になると、その後も頻発しがちです。原因としてパソコンに搭載されているメモリの容量不足を指摘されることが多いですが、コストも手間もかかるので、実際にメモリを増設する人は少ないでしょう。そもそも事務処理なら、メモリは4~8GB程度で十分です。

 遅い動作はストレスも溜まりますし、時短ワザなどを使っても効果半減ですよね。今回は、もっさりと動くOfficeアプリを我慢して使っている人向けに、簡単に試せる対処法をいくつか紹介したいと思います。

余計なアプリや不要なスタートアップを停止する

 使っていないアプリは閉じておきましょう。特にWebブラウザーはメモリの消費量が多い傾向にあります。たくさんのタブを開きっぱなしにしておくと、パソコン全体の動作も遅くなることがあります。現在動作しているアプリは「タスク マネージャー」で確認可能です。

 今回はWindows 10での操作を解説します。Windows 11では一部操作が異なり、タスクバーの右クリックメニューからは「タスク マネージャー」を起動できません。[スタート]ボタンの右クリックメニューや、ショートカットキーで起動するとよいでしょう。また、「タスク マネージャー」は初期状態で詳細表示が開きます。

タスクバーの何もないところを右クリックして、[タスクマネージャー]を選択する。[Ctrl]+[Shift]+[Esc]キーを押してもいい
「タスク マネージャー」が起動して、起動中のアプリの一覧が表示される。左下の[詳細]をクリックする
「タスク マネージャー」が詳細表示に切り替わった。[メモリ]列で並べ替えて、メモリの消費量の多いアプリを把握できる。例えば、「Microsoft Edge」でタブをたくさん開いていると、その分メモリが消費されていることがわかる

 ここでは状況把握が目的なので、むやみに強制終了してはいけません。いつも通りアプリを閉じれば、実行中のプロセスから除かれます。例えば、「Microsoft Teams」を使っていないのに、起動しているなら終了するべきです。それだけでメモリの節約になります。

 こまめに確認するのが面倒なら再起動してもいいでしょう。しかし、アプリを起動していないのに、パソコンが遅いことはよくあります。「スタートアップ」を見直してみましょう。例えば、プリンターの監視モニターなどのアプリは、パソコンの起動時に立ち上がって常駐することが多いです。

[Windows]+[I]キーを押して、設定画面を表示する。[アプリ]→[スタートアップ]の順にクリックすると、パソコンの起動時に立ち上がる「スタートアップ」の一覧が表示される。不要なスタートアップは停止しておこう

 なお、Windowsの「サービス」を停止する上級のテクニックもあります。例えば、FAX機能を使わないからFAXのサービスを停止するといった設定です。しかし、パソコンに不慣れな場合はおすすめしません。必要なサービスを停止してしまう可能性もあります。

「サービス」の一覧を表示するには、[Windows]+[R]キーを押して[ファイル名を指定して実行]の画面を表示し、「services.msc」と入力する。パソコンに不慣れな場合は、むやみに操作しないほうがいい

設定ファイルの削除とアドインの確認

 Officeアプリだけが重いのであれば、設定ファイルを削除してからOfficeアプリを再起動しましょう。設定ファイルは、Officeアプリの起動時に再作成されるので、削除しても問題ありません。自動回復用のファイルと同じフォルダーに保存されています。

Officeアプリの設定ファイルは、自動回復用のファイルと同じフォルダーに保存されている。ここでは[Excelのオプション]で操作しているが、Word、PowerPointでも同様の操作が可能だ。[保存]をクリックして、[自動回復用ファイルの場所]のパスをコピーしておく
エクスプローラーを開いて、コピーしたパスを貼り付けて[Enter]キーを押す
該当のフォルダーの内容が表示された。Officeアプリの調子が悪いときは、ファイルの内容をすべて削除して再起動しよう

 また、Officeアプリの不要な「アドイン」が有効になっていることがあります。念のため確認しておきましょう。とりあえず無効にしておき、必要な時点で有効にするといった使い方でも大丈夫です。

[Excelのオプション]の画面。[管理]からアドインの分類を選択して[設定]で内容を確認する
普段使っていないアドインにチェックが入っていないかを確認する。とりあえず無効としても大丈夫だ。必要なら有効に設定し直せばいい

「開いて修復する」と「セーフモード」

 特定のファイルだけ「重い」時に試したいのが、[ファイルを開く]ダイアログボックスからの「開いて修復する」と、Officeアプリを[Ctrl]キー+クリックして起動する「セーフモード」です。とりあえずファイルを開いて内容を確認したい時に便利ですが、問題のあるファイルはそのまま使い続けずに、再作成したほうがいいでしょう。

Excelでの操作例。[ファイルを開く]ダイアログボックスを表示しておく。該当のファイルを選択し、[開く]の右側にある[▼]をクリックして[開いて修復する]を選択する。Wordでは「開いて修復」、PowerPointでは[アプリケーションの自動修復]を選択する
ファイルを修復するかどうかのメッセージが表示される。[修復]をクリックする
ファイルが開く。確認のメッセージは閉じておく

 [Ctrl]キーを押しながらOfficeアプリを起動することで「セーフモード」に切り替わります。[Ctrl]キーを押しながら該当のファイルをダブルクリックしても構いません。

[Ctrl]キーを押しながらOfficeアプリのアイコンをクリックする。[Ctrl]キーを押しながら該当のファイルをダブルクリックしてもいい
セーフモードで起動するかどうかのメッセージが表示されるので[はい]をクリックする
セーフモードで起動した倍は、タイトルバーに「(セーフモード)」と表示される。利用できる機能が制限されるが、内容を確認するだけなら問題ない

 「重い」原因を整理するのが解決への近道です。スタートアップの見直しは、パソコン全体が遅い問題の解消が期待できるので、特に問題がなくてもチェックしてみてください。また、設定ファイルの削除は簡単に試せて効果の高い対処法です。