残業を減らす!Officeテクニック

ファイル名だけでOfficeでの作業効率はアップする! 命名ルールのススメ

ファイル名のルールを決めて作業効率を上げよう

 保存したはずのファイルが見当たらない? どれが最新なのかわからない! といった経験がありますよね。違うファイルを開いて閉じて、を繰り返して……、複数人で作業しているなら、確認の連絡をする手間もかかります。年間で考えるとファイルを探し回る無駄な時間は十時間以上になるでしょう。

 例えば以下のような状況。何らかの変更が加わっていることはわかりますが、結局どれが最新のファイルなのかわかりません。このようなカオスな状況ではファイルの更新日もあてになりませんね。

どのファイルが最新の状態なのか不明

 パソコン操作の得手不得手にかかわらず、あらかじめファイル名のルールを決めておくことは重要です。誰が見てもファイルの内容と状態がわかる名前を付けておくことで、作業効率は格段にアップします。今回はファイルの命名法のヒントを紹介します。

バージョン管理は「日付」を付加する

 ファイルの更新後に「(ファイル名)を上書きしますか?」というメッセージが表示されて、「-1」などの枝番を付けて保存してしまうことがありますよね。元のファイルを残しておきたい、つまりバージョン管理したいケースです。

 「-1」「-2」のような枝番はおすすめしません。いつ更新したファイルなのかがわからなくなってしまいます。ファイルのバージョン管理は「日付」の付加が基本です。

 日付には「0529」「20230529」「5月29日」などの表記がありますが、数字キーのみで入力できる「0529」(mmdd形式)か「20230529」(yyyymmdd形式)が無難です。

ファイル名に日付を付加した例。日付の形式のほか、先頭と末尾のどちらに付加するのかも検討しておく

 ファイルの先頭と末尾のどちらに付加するのかも検討しておきます。末尾に付加することが多いですが、ファイルの順序を重視するために先頭に付加とする手もあります。なお、複数人で同じ日付のファイルを更新するなら、作業者名を付けるなどの工夫も必要です。

全角と半角は必ず統一する

 ファイル名の全角と半角は統一しておきましょう。以下は半角文字と全角文字の混在したファイル名の例です。すべて同じ名前ですが、視認性が悪く、違うファイルに見えますよね。

すべて同じファイル名だが、まったく違うファイルに見える

 ひらがな、カタカナ、漢字は全角、英数字は半角で統一が一般的です。「(」などの記号は半角・全角どちらに統一するか決めておきます。なお、「半角のカタカナ」と「全角の英数字」は避けましょう。スマートフォンなどで表示した場合、ファイルの順序が変わったり、文字化けが発生したりする原因になります。

区切り文字は「-」か[_]が無難

 ファイル名に日付や更新者を付加する際に挿入する「区切り文字」は「_」(半角アンダーバー)か「-」(半角ハイフン)が無難です。半角や全角のスペースで区切っているファイルをたまに見かけますが、おすすめしません。マクロの処理などでエラーの原因になるほか、Windows以外の環境で正しくファイルが扱われない可能性があります。

半角や全角のスペースを「区切り文字」とするのはおすすめしない。「_」(半角アンダーバー)か「-」(半角ハイフン)が無難

 「.」(半角ピリオド)も避けましょう。「.」は拡張子の前に挿入される記号として扱われるため、予期せぬエラーの原因にもなります。また、そもそもファイル名に利用できない半角記号もあります。

ファイル名に使えない記号がある

 以下の半角文字はファイル名として利用できません。

「¥」 :円記号
「/」 :スラッシュ
「:」 :コロン
「*」 :アスタリスク
「?」 :クエスチョンマーク
「"」 :ダブルクォーテーション
「<」「>」 :不等号
「|」 :バーティカルバー

同じ種類のファイルは同じ法則で命名する

 日付や更新者以外の情報を付加する時のルールも決めておくことも大切です。以下は過去の「取引先への提案書」を集めたイメージですが、作成者によって名前の付け方が異なり、区別しにくい状態です。

資料の意図は同じだが、区別しにくい状態だ

 ここで、略称の取引先名、資料名、8桁の日付の順に並べて「_」で区切るというルールでファイル名を修正すると以下になります。

別の取引先向けの同じ種類のファイルということが見やすくなる

 同じ種類のファイルは同じ法則で名前を付けておくと扱いやすくなります。定例の報告書といった繰り返し作成する資料では特に有効です。ただし、エクスプローラーで表示した時に途中で見えなくなるような長いファイル名はイマイチです。なるべく短く簡潔になるルールを検討しましょう。

順序を固定するなら先頭に連番を付ける

 ファイルやフォルダーの順序を固定しておきたいことがありますよね。作業のフローに沿って並べるようなケースです。先頭に連番を付加するのがシンプルな解決策です。

 ポイントは「1」「2」「3」ではなく、「10」以上の連番を想定して「01」「02」「03」のように2桁の連番を振ることです。3桁以上の連番が必要なら「001」「002」「003」としておきます。

フォルダー名の先頭に連番を付加しておけば、名前の昇順の並べ替えで表示順を固定できる

 フォルダー内に含まれるファイルを時系列に管理したいなら、先頭に日付を付加するのも良い方法です。

ファイル名の先頭に日付を付加しておけば、名前の昇順で古い順、降順で新しい順にファイルを並べ替えられる

 ファイル名のルールを決めても守られなければ意味がありません。ルールの意図を関係者と共有することも重要です。作業効率アップに向けて少しずつ取り組んでみてはいかがでしょうか。

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