残業を減らす!Officeテクニック

ペーパーレスでもハンコが必要!? 印影風の画像をパワポで作る方法

パワポだけでオリジナルの印影を作ってみよう!

 ペーパーレス化が進み、印鑑を使う機会が減りましたよね。そもそも印鑑を持っていない人もいるかもしれません。しかし、PDFファイルに押印することや電子署名の際に印影データを使いたいこともあるはずです。過去の印影をスキャンしてデータ化する方法もありますが、手間がかかりますよね。

PDFファイルでも押印したいことはある

 実は、オリジナルの印影をPowerPointだけで作成可能です。ただ、単純にテキストボックスと図形を組み合わせただけでは味気ないものになってしまいます。今回は、ひと工夫して実際に押印したような雰囲気を出す小ワザを紹介します。

1文字ずつテキストボックスを作成する

 ここでは、PowerPointで扱える一般的なフォントとして、行書体を使って印影を作ってみます。もちろん、ほかのフォントでも構いませんが、“1つのテキストボックスに1文字ずつ”入力することがポイントです。最初に1つのテキストボックスに入力して、複製すると簡単です。なお、印影に使われるフォントには、楷書体や古印体、行書体、隷書体、てん書体などがあります。

ここでは「窓の杜」という印影を作成する。テキストボックスに文字を入力し、[Ctrl]+[D]キーを押して複製しておこう
それぞれのテキストボックスを編集して「窓」「の」「杜」と残した。[Ctrl]+[A]キーを押して、すべてのテキストボックスを選択しておく
ここでは[HGP行書体]を選択した
フォントサイズは「60」とした。後ほど微調整するので大体で構わない
フォントの色を[赤]に変更した

枠を作るコツ

 枠が円形なら、[図形]の[楕円]もしくは[円:塗りつぶしなし]を利用します。[円:塗りつぶしなし]のほうが直感的に操作できておすすめです。四角形は[フレーム]がおすすめですが、角丸の枠が作りたい場合は[四角形:角を丸くする]を選択してください。

[挿入]タブにある[図形]-[円:塗りつぶしなし]を選択する
[Shift]キーを押しながらドラッグする。先ほど入力した文字を囲える程度の大きさにする
黄色のハンドルをドラッグして太さを調整する
塗りつぶしの色は[赤]、枠線は[枠線なし]に設定した

 なお、[楕円]や[四角形:角を丸くする]では、枠の太さを“罫線の太さ”で調整する必要があることに注意してください。[塗りつぶしなし]として、枠線の色を設定します。

[楕円]や[四角形:角を丸くする]の場合は[塗りつぶしなし]として、枠線の色を設定し、枠線の太さで調整する

枠と文字のバランスを調整する

 素材の準備は以上です。文字の位置とサイズを調整していきましょう。すべての文字サイズが同じ必要はありません。また、ワードアートの変形などを使うと、さらにカスタマイズが可能です。

枠の中に文字を置いた状態。文字のサイズと位置を調整しよう
枠と文字が触れるように調整すると、印影らしく見える。都合で枠のサイズも調整する

図形の[アート効果]を活用する

 印影らしく仕上げていきましょう。枠とすべての文字を選択して[Ctrl]+[G]キーを押してグループ化。そのまま切り取って、“画像”として貼り付けます。

 画像として貼り付けた後は[図形の効果]が利用できるようになります。ただし、1つの画像につき、1つの[アート効果]しか設定できないため、切り取り&貼り付けを2回くり返します。

枠と文字を全選択した状態。[Ctrl]+[G]キーを押してグループ化する
グループ化されるとハンドルの表示が変わる。[Ctrl]+[X]キーを押して切り取る
任意の場所を右クリックして[図]を選択する
(ここでは拡大表示して操作している)画像として貼り付けられると、[図の形式]タブが表示される。[トリミング]をクリックして余白を削除する
図形を右クリックして[図の書式設定]を選択する
[アート効果]から[線画]を選択する
[透明度]と[鉛筆のサイズ]調整する。ここでは[透明度]を「25%」、[鉛筆のサイズ]を「5」とした。もう一度[Ctrl]+[X]キーを押して画像を切り取る
任意の場所を右クリックして[図]を選択する
新しい図形として貼り付けられて、[アート効果]を重ねて設定できるようになる。[採光:デフューズ]を選択する
[透明度]と[強度]を設定する。ここでは[透明度]を「10%」、[強度]を「8」とした

 右クリックして[図として保存]を選択し、任意の場所に保存すれば、データとしての印影の完成です。

図形を右クリックして[図として保存]を選択する。保存場所を指定して、印影を保存しておこう