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Excelの結合セルとうまく付き合う方法 ~スマートな分割・コピペのテクニック

結合セルとうまく付き合おう

 Excelで作成する表にセルの結合は避けよう、とよく言われますが、完全に排除するのは難しいでしょう。見やすく整えるには便利な機能ですし、テンプレートに結合セルが含まれていることも多いはずです。

結合されたセルを含む表の例。分析対象のデータとして扱うには面倒

 しかし、分析の対象として考えた場合、結合セルは邪魔者です。1行ごとにデータがまとまっていないため、フィルターも意図通りに動作しません。今回は、結合セルを上手に扱うためのテクニックをまとめて紹介します。

結合されたセルをスマートに分割する

 結合セルを分割して、1行ごとのデータとして整えたい場合、コピペを繰り返していたりしませんか? 結合されていたセルと同一のデータを一気に入力する方法があります。[選択オプション]と[Ctrl]+[Enter]を使った一括入力を利用しましょう。

結合セルをすべて選択して[Ctrl]+[C]でコピー、続けて[Ctrl]+[V]キーを押す
セル結合が解除される。セル範囲が選択された状態で[Ctrl]+[G]キーを押す
[セル選択]をクリックする
[空白セル]を選択して[OK]をクリックする
空白セルが選択された。選択されているセルのうち、白いセルがアクティブ
「=」と入力して、すぐ上のセルをクリックすると数式が入力される。そのまま[Ctrl]+[Enter]キーを押す
セルと同じデータが一括で入力された
一括入力したのは数式なので、[値]として貼り付け直す。数式が入力されたセルを含めて選択し、右クリックして[値]を選択する

 なお、空白セルを選択した後アクティブなセルが値の入力されたセルに隣接していないと、意図通りにデータを入力できないことがあります。その場合は、値の入力されているセルに隣接するように、[Tab]キーでアクティブなセルを切り替えてください。

結合セルのデータを取り出す

 結合されたセルからデータを取り出す場合、単純にコピペすると、結合セルのまま貼り付けられてしまうので、[値]として貼り付ける人もいるでしょう。

 しかし、結合セルが解除された結果、余計な空白セルが含まれています。さらにコピペを繰り返して、空白セルを詰めたりしていませんか? 空白セルを一括削除しているかもしれませんね。

結合セルをコピーして、[値]として貼り付けた状態。余計な空白セルが挟まれてしまっている

 FILTER関数を使うのが簡単です。具体的には以下のように入力します。引数[配列]には、値を取り出したい結合セルを含むセル範囲を指定します。2番目の引数[含む]には、[配列]と同じセル範囲を指定したうえで「<>""」と指定します。「空白でない」という条件になります。

=FILTER(B2:B17,B2:B17<>"")
任意のセルに「=FILTER(B2:B17,B2:B17<>"")」と入力する
結合セルを含むセル範囲からデータを取り出せた。結果を[値]として貼り付け直せば、データとして利用できるようになる

結合されていないセルのデータを結合セルに貼り付ける

 「この操作は結合したセルには行えません。」というメッセージに困った経験がありませんか?

結合済みのセルに貼り付けようとすると……
「この操作は結合したセルには行えません。」というメッセージが表示されてしまう

 この問題は、コピー元と同じ数の結合セルを用意しておき、選択した状態で[貼り付けのオプション]から[数式]を選択すると解決できます。

コピー元と同じ数の結合セルを用意しておく。コピー元のデータをコピーし、貼り付け先の結合セルを選択する
[ホーム]タブにある[貼り付け]から[数式]を選択する
結合セルに貼り付けられた

 なお、[Ctrl]+[C]に続けて[Ctrl]+[V]キーを押して、貼り付け後に表示される[貼り付けのオプション]から[数式]を選択しても同じ結果を得られます。

[Ctrl]+[V]キーを押して貼り付けてしまった状態。この場合は[貼り付けのオプション]ボタンをクリックして[数式]を選択する
結合セルに貼り付けられる

 結合セルは見た目を整えるには便利ですが、分析や加工には扱いづらい存在です。今回紹介した方法を知っておけば、結合セルに振り回されず、スムーズにデータ処理を進められますよ。