残業を減らす!Officeテクニック

エクセルで構造が違う表を手作業で統合するのは時間の無駄! 効率的にマージするテク

構造の異なる表はPower Queryで簡単に結合可能

 同じ目的の表でも、微妙に構造が異なるデータを受け取ることがありませんか? 以下は、同じ売上データですが、支店ごとに表の形式が異なる例です。

東京支店のデータ。「日付」「商品名」「数量」「単価」「担当者」の列が並んでいる
大阪支社のデータ。「担当者」「数量」「商品名」「日付」の順。東京支社にあった「単価」列がない
名古屋支社のデータ。「商品名」「数量」「日付」「単価」「担当者」の順になっている

 これは極端な例ですが、フォーマットでは存在していた列が削除されていて、統合するのに困った……。よくある悩みです。ただ、仕方なく手作業で列を並べ替えたり、コピペを繰り返したりする必要はありません。

 実は「Power Query」を使えば、列の順番が違っても“列名”が一致していれば自動で整列して結合できます。統合したいファイルをまとめてフォルダーに保存しておき、まとめて取り込むだけで完了します。画面の指示に従うだけですが、今回は実務で役立つ操作を振り返ってみましょう。

複数のファイルを一括で取り込む

 統合したいファイルを同じフォルダーにまとめておきます。表の構造が異なることがわかっているので、取り込み時に単純に結合するのではなく、[データの結合と変換]を選択します。また、結合する際に、表の構造を合わせたいファイルを表示しておくことがポイントです。

統合するファイルを同じフォルダーに保存しておく。場所はどこでも構わない
[データ]タブの[データの取得]-[ファイルから]-[フォルダーから]をクリックする
統合するファイルを保存したフォルダーを選択して[開く]をクリックする
[結合]の[▼]をクリックして、[データの結合と変換]を選択する
[サンプルファイル]からファイルを選択して、シート名(ここでは「Sheet1」)をクリックすると、ファイルの内容を確認できる
同様に[サンプルファイル]からファイルを選択して、ファイルの内容を確認しておく。東京支社とは表の構造が異なる
残りのファイルも同様に内容を確認しておく
基準とするファイルを選択して[OK]をクリックする
Power Queryエディターが開く

 基準になる構造の表を選択しなかった場合は、いったんPower Queryエディターを閉じて最初からやり直してください。

プレビューで確認して、不要な列を削除

 Power Queryエディターにデータが表示された後は不要な列を削除するだけです。ファイル名の入力された[Source.Name]列を削除します。なお、存在しない列の値は「null」となり、Excelに読み込むと空白として扱われます。

ファイル名の入力されている[Source.Name]列を選択して、[列の削除]をクリックする
大阪支社のデータには「単価」列が存在していなかったので、「null」となっている。ここで修正しても構わないが、Excelに読み込んだ後にVLOOKUP / XLOOKUP関数などを使ってマスタデータから取り込んだほうがスマート。[閉じて読み込む]をクリックする
Power Queryエディターが閉じて、Excelの画面が表示される。「null」となっていた箇所は空白となる

 列名が一致していれば、Power Queryは異なる構造の表でも自動で整列・統合してくれます。データ形式の違いに悩まず、集計作業を一気に効率化しましょう。