残業を減らす!Officeテクニック

エクセルの入力ミスを防いで見逃さない! 新入社員におススメしたいデータ管理の基本

ミス防止とチェックのテクニックを覚えておこう

 エクセルで業務を管理する際、入力ミスや確認漏れが原因でトラブルになることは少なくありません。例えば、「ステータス」列に入力する文字列が不統一であったり、「完了」となっているのに実績日が入力されていなかったりといったケースです。

 細かなミスに思えますが、集計や報告の精度に影響し、結果として業務全体の信頼性を下げてしまいます。こうした問題には、人の注意力に頼るのではなく、「ミスを防ぐ」「ミスを見つける」仕組みを用意しておくことが大切です。正確に入力することと同じくらい、“ミスが起きにくい表を作る”ことも重要なスキルです。

 今回は新入社員向けに、ミスを防ぐために覚えておきたい3つのテクニックを紹介します。簡単に用意できて、実務で役立ちますよ。

入力規則で表記ゆれを防ぐ

 まずは、入力ミスを未然に防ぐ方法です。ステータスのように決まった値を入力する場合は「入力規則」を使ってドロップダウンリストを設定しましょう。

 例えば「未対応」「対応中」「完了」の3つから選択できるようにしておけば、入力時に選択するだけで済み、表記ゆれを防ぐことができます。「未」「対応済」などのばらつきがなくなるため、後続の集計や分析も正確に行えるようになります。

入力規則を設定するセル範囲を選択しておく。[データ]タブにある[データの入力規則]をクリックする
[入力値の種類]から[リスト]を選択し、[元の値]に「未対応,対応中,完了」と入力する。「,」は半角で入力する。なお、[ドロップダウン リストから選択する]のチェックは外さないようにすること
[元の値]で指定した項目をドロップダウンリストから選択できるようになった
リストに存在しない文字列を入力すると……
エラーメッセージが表示される。[キャンセル]をクリックして、ドロップダウンリストから選択し直す

 [ドロップダウンリストから選択する]のチェックを外すと、ドロップダウンリスト以外の文字列も入力できるようになることに注意してください。表記ゆれを防ぐ目的であれば、チェックONにする必要があります。

条件付き書式で状況を見える化する

 完了した案件はグレーアウトしておくといった運用はよくあります。手作業で行を塗りつぶさないで、「条件付き書式」を利用しましょう。自動的に状況をひと目で把握できるようになります。

 ポイントは条件付き書式を設定したいセル範囲を選択しておくことと、行全体を塗りつぶすためには条件式に「$D2」のように列だけを固定した「複合参照」を利用することです。

 ここでは、「完了」の案件を灰色で塗りつぶしますが、同様の手順で、「未対応」は赤、「対応中」は黄色のように設定することも可能です。文字情報だけで判断するよりも、確認のスピードと正確性が大きく向上します。

条件付き書式を設定するセル範囲を選択しておく。[ホーム]タブにある[条件付き書式]-[新しいルール]をクリックする
[数式を使用して、書式設定するセルを決定]を選択し、条件式に「=$D2="完了"」と入力する。書式を設定して[OK]をクリックする
ステータスが「完了」の行が塗りつぶされた

条件付き書式で異常を検出する

 最後にもう一歩踏み込んで“異常を自動検出する”条件付き書式を設定します。ここでは、ステータスが「完了」なのに、実績日が入力されていないケースを検出してみましょう。条件式は次のように入力します。

=AND($D2="完了",$F2="")

 AND関数は、複数の条件を両方満たす場合に「TRUE」と判定する関数です。ステータスが「完了」で、実績日が空白であるのは業務上おかしい状態なので、「TRUE」と判定された場合に強調すれば、ひと目で異常に気付くことができます。ここでは、行全体を赤文字で強調表示します。

条件付き書式を設定するセル範囲を選択しておく。[ホーム]タブにある[条件付き書式]-[新しいルール]をクリックする
[数式を使用して、書式設定するセルを決定]を選択し、条件式に「=AND($D2="完了",$F2="")」と入力する。「$D2」や「$F2」と指定するのは行全体に条件付き書式を適用するため。書式を設定して[OK]をクリックする
現状では条件を満たす行はないため、見た目に変化はない
試しに実績日が空白の行のステータスを「完了」に切り替えると、赤字になった

 こうした仕組みをあらかじめ組み込んでおくことで、確認漏れや入力忘れにすぐ気付けるようになり、トラブルの未然防止につながります。

 エクセルは単にデータを入力するツールではなく、「ミスを防ぎ、ミスを見つける仕組み」を作れるツールでもあります。今回紹介した3つのテクニックを組み合わせて、実務で使いやすい表を作ってみてください。