どれ使う?プログラミング教育ツール
プログラミングの早期教育に! かわいい動きとセリフが魅力の「キンダーボット」
2022年1月13日 06:55
かわいらしいロボットの姿をした「キンダーボット」は、3才からOKのプログラミングロボットです。PCもタブレットも不要で、組み立てもなく、おもちゃのように単体で遊びながらプログラミングの基本的な考え方に親しむことができるガジェット系のツールで、Amazon.co.jpでは7千円前後で販売されています。
乳幼児向けグッズで有名なアメリカのフィッシャープライスの知育玩具で、前回ご紹介した「コード・A・ピラー ツイスト」と同一コンセプトながらも、両者を比べると、この「キンダーボット」の方がプログラミング方法などに少し認知のステップが多く、わずかに高度だと言えるでしょう。
プログラムは頭の上の矢印ボタンを押して入力!
このどこか懐かしい感じのロボット然とした姿は、映画の「WALL・E(ウォーリー)」に少々「E.T.」テイストを足したような親しみやすさがあり、小さな子どもが仲間っぽい気分になれそうなちょっと大きめのサイズです。
プログラミングはロボットの頭の上についた矢印ボタンを押して動きを順に入力して行います。前後左右全4種類の動きがプログラムコードです。額に10個並んだライトは入力したコードの矢印と同じ色で順番に点灯して、プログラムを可視化してくれます。ライトの数と同じ最大で10ステップまでコード入力が可能です。
ロボットを動かすルートを頭の中で組み立ててから、そのステップ通りにボタンを押してコードを入力し、入力したコードがライトの色として並ぶのを目で見ていったんプログラム全体を確認して、実行ボタンを押して動かす……という手順を踏むので、「動きを考えプログラムとして記述して実行する」という感覚がつかめそうです。
プログラムの入力時や実行時には、「前!」「右!」など、音声とライトの色で何をしているかを示してくれるのでとてもわかりやすいです。また、細やかな各種演出がほどよく、楽しい気分になります。プログラム実行後には褒めてくれるのですが、バリエーション豊かで意外とモチベーションアップになります。
各種モードとパーツ類で遊びが広がる
操作パネルにはモードチェンジボタンがあり、チャレンジモードでは、声で簡単なお題が出され、それに応じてプログラムを作る練習をします。シークレットモードでは、本体についてくるシークレットコードブックに記載されたコードを入力することで、さまざまな演出をさせることができます。どんなことをしてくれるかはお楽しみ。楽しげに元気に動き回るので、かわいらしく愛着がわいてきます。
また、手やボディに組み合わさっている各種パーツは外してバラバラにすることができて、床に置いて障害物として使えます。また、積み木のようにパーツを組み合わせて、てんびんや傾斜を作ったりして、プログラミングとは別に、力学を実感する遊びもできます。
ミッションを設定すると面白さアップ!
キンダーボットは自由にプログラムして動かすだけでなく、課題を設定するとさらに楽しさがアップします。例えば付属パーツで傾斜を作ってミカンをコロコロ転がして、お子さんに「ロボットでミカンを取りにいってみようっ!」と声をかければそれだけで楽しいミッションになります。
キンダーボットが無事みかんまで到着できたらミッションクリアです。プログラミングで遊ぶときは最初から成功する必要はありません。とりあえず適当に動かしたり何度もやり直しているうちに、一度に動く距離を意識したり、距離が足りなければコードを増やしたり……といろいろなことに気づいて修正していくのが大切な体験になります。
動画で見てみましょう。
左右に曲がる時はていねいに方向転換するのが印象的です。前後に進むひとつのステップで移動する距離はおよそ20cm程度と比較的短いので、遊ぶスペースをとりすぎないのもありがたいところです。
プログラミングの入り口として、順次処理のコンセプトに慣れ、プログラムを記述して実行するというイメージをつかむことができるので、幼児に限らず小学校でプログラミングの導入に活用することもできますし、特別支援系の学習の場でも活躍しそうです。
2020年度から小学校でプログラミング教育が実施されています。これに伴い家庭でも手軽にプログラミングを学習できるツールが多数登場していますが、どんなツールを使えばいいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか? そこで本連載では家庭でのプログラミング教育にピッタリなお勧めツールを紹介していきたいと思います。