使ってわかるCopilot+ PC

第93回

AI性能は2倍以上!「Snapdragon X2 Elite Extreme」の80TOPS NPUをテスト

「フォト」アプリで「Image Creator」を実行した画面

80TOPSのNPUは本当に強力なのか?

 Copilot+ PCのCPUが世代交代する中、まず注目すべきはQualcomm製の新型CPU「Snapdragon X2」シリーズだ。IntelとAMDの新製品では、NPUの性能は微増にとどまるが、「Snapdragon X2」はNPUの性能が飛躍的に向上した。

 前世代の「Snapdragon X」では、NPUの性能が最大45TOPSだったが、「Snapdragon X2」では80TOPSまで向上した。Copilot+ PCの要件は40TOPS以上だが、その2倍にあたる。

 「Snapdragon X2」のNPUは本当にそんなに強力なのか、実機で確かめてみることにした。使用したのは、「Snapdragon X2 Elite Extreme」を搭載したASUS製ノートPC「Zenbook SORA 16」。

「Zenbook SORA 16」

画像生成のスピードで新旧NPU対決

 NPUの性能を測るベンチマークプログラムはまだ認知度が高くないので、実地テストで比較しようと思う。なるべくNPUを使い切るもので、処理能力が見えやすいものとして、「フォト」アプリの画像生成AI機能「Image Creator」を使う。

 比較対象は、前世代の「Snapdragon X Plus」搭載機。NPUの性能は45TOPSなので、計算上は約1.78倍速で処理できるはずだ。テンプレートに入っている同じプロンプト(テキスト指示)で、512×512ドットの画像を20枚生成する。

このような画像が生成される。生成画像の品質は2台で同等だった

 まずは「Snapdragon X Plus」搭載機の結果を見ていただこう。実行から20枚の画像を生成するまで、約32秒かかった。最初の準備で1枚目の生成までに3秒ほどかかっているが、それ以降は1枚当たり1.5秒ほどかかっている計算だ。これでも初めて見た時には、NPUの画像生成はこんなに高速にできるのかと驚いたものだ。

「Snapdragon X Plus」搭載機での画像生成の様子

 次は「Snapdragon X2 Elite Extreme」を搭載した「Zenbook SORA 16」で試すと、実行から生成が終わるまで約17秒となった。生成準備にかかるのは同じく3秒程度で、その後は1枚当たり0.7秒程度の計算になる。計算するまでもなく、見た目で2倍くらい速いのがわかる。

「Snapdragon X2 Elite Extreme」搭載機での画像生成の様子

 NPUの性能差だけで考えれば約1.78倍だが、結果はそれ以上に差が大きくなっている。「Snapdragon X2 Elite Extreme」は、「Snapdragon X2」シリーズの中でも特にメモリが高速(LPDDR5X-9523がメモリバス幅192bitで接続されている)なことが、AI処理性能をさらに高めていると思われる。

新世代のNPUもしっかり使われている

 実行中のタスクマネージャーを見ると、NPUはどちらも8割以上使われている。新型だからといってNPUを効率的に使えていないということもなく、高い性能をしっかり使って処理しているのがわかる。

「Snapdragon X Plus」では、NPUを8~10割ほど使っている
「Snapdragon X2 Elite Extreme」でもほぼ同様で、NPUをしっかり使えている

 NPUの処理能力に余裕があれば、Copilot+ PCの機能だけでなく、PCメーカーやサードパーティ製ソフトウェアも独自のAI機能を組み入れようと思うはず。そしてここから先はCPUの世代が進むほどNPUも進化していく。それがPCにどんな変化を与えてくれるのかを見ていくのも面白くなりそうだ。

著者プロフィール:石田賀津男(いしだ かつお)

1977年生まれ、滋賀県出身

ゲーム専門誌『GAME Watch』(インプレス)の記者を経てフリージャーナリスト。ゲーム等のエンターテイメントと、PC・スマホ・ネットワーク等のIT系にまたがる分野を中心に幅広く執筆中。1990年代からのオンラインゲーマー。窓の杜では連載『初月100円! オススメGame Pass作品』、『週末ゲーム』などを執筆。

・著者Webサイト:https://ougi.net/