柳谷智宣のAI ウォッチ!
無料で自動化の快適さを体感! Google Antigravityの新機能「Skills」でマイAIエージェントを作ってみよう
プロンプトの手間を解消するエージェント機能拡張とは[前編]
2026年1月20日 09:00
2026年1月14日、GoogleのAI開発環境である「Google Antigravity」にエージェント機能拡張「Skills」が搭載された。AIエージェントに再利用可能な手順書を付与する機能で、従来の毎回プロンプトで指示する手間を解消してくれるというものだ。
今回は、この誰でも自然言語でAIエージェントを構築できる超絶便利な機能の使い方を紹介する。「Google Antigravity」は現在、パブリックプレビュー中で無料で利用できる。
ただの指示出しではない! エージェントに「技能」を実装するSkills機能とは
「Google Antigravity」は、2025年11月にローンチした「エージェント(自律型AI)前提」の統合開発環境。従来のコード補完やチャット型支援を超えて、AIエージェントが計画・実装・検証まで進めるのが特徴となっている。この「Antigravity」において、エージェントの実力を底上げする鍵となるのが「Skills」だ。
この機能、実はGoogle独自の規格ではない。競合であるAnthropicが提唱したオープンスタンダード「SKILL.md」がフォーマットとして正式採用されている。つまり、将来的にはClaude Desktopや他のエディターで作られたスキル資産も、そのまま「Antigravity」で再利用できるようになる可能性が高い、というオープンな仕様となっている。
このSkills機能が「普通にGeminiやChatGPTにプロンプトを入れる」のと異なる点は、エージェントが「必要な時だけ知識をロードする」という点だ。
従来のチャットUIやカスタム指示では、あらゆるルールや指示を最初にすべてAIに読ませて常駐させる必要があった。しかし、ルールが増えるほどAIの記憶容量=コンテキストウィンドウを圧迫し、「コンテキスト汚染」と呼ばれる精度の低下を招いてしまう。「あなたはJavaの専門家で、かつセキュリティ監査員で、さらにUIデザイナーで……」と詰め込みすぎると、AIも混乱してしまうのだ。
対して、Antigravityの「Skills」は「プログレッシブ・ディスクロージャー(段階的開示)」というアーキテクチャーを採用している。エージェントは、普段は身軽な状態で待機しており、ユーザーが作業を頼んだ瞬間だけ、その手順書(スキル)を脳内にロードする。そして仕事が終われば、メモリから解放して忘れる。そのため、常にクリアな頭脳で、目前のタスクだけに集中できる。トークンの節約にもなり、ハルシネーションの減少にもつながる。
例えば、原稿執筆というタスクに関する調査・執筆・ファクトチェック・校閲などの作業を、1つの手順書にまとめてもステップバイステップできちんと実行してくれるのだ。
Skills機能をお試し! 原稿執筆のスキルを構築してみる
さっそく、Skills機能を試してみよう。今回は、原稿執筆のスキル(手順書)を作ってみた。
まずは、公式サイトから自分のOSに合った「Antigravity」のインストールファイルをダウンロードし、画面の指示に従ってインストールしよう。起動したら、初期設定を行い、Google アカウントでサインインする。とりあえず初期設定はレコメンドされるままで大丈夫。
Antigravityを起動したら、最初に[Open Folder]をクリックして作業用フォルダーを指定する。ここでは「C:¥Users¥ユーザー名¥.gemini¥antigravity¥skills」の中に「原稿執筆」フォルダーを作成して選択した。
続いて、日本語でやり取りするために[…]メニューから[Customizations]を開き、[Rules]の[+Global]をクリックして「日本語を使ってください」などと入力する。
これで準備完了だ。スキルの指示は「SKILL.md」というファイルに記述する。ちなみに、ファイル名(SKILL.md)の「SKILL」部分はすべて大文字なので注意しよう。
普段使うプロンプトと同じように書いてもよいが、ここではAIに作ってもらうことにする。
まずは、右側のエージェントパネルにスキルを作成するように依頼する。今回は、同じフォルダーに作成する「資料.txt」の内容をもとに原稿を生成し、別のテキストファイルに保存してもらう。
資料のテキストファイルをもとに、原稿を作成し、テキストファイルに保存するスキルを作成してください。
すると、AIが必要なファイルを作成したり、内容を生成するプランを考えて承認を求めてきたりする。最後にファイルを作成する許可を求めてくるので、問題なければ[Accept all]をクリックして承認すれば完了だ。自動的にタスクが処理されていく。
「SKILL.md」をクリックすると中身が表示される。
基本的に日本語の自然文で書かれているので、理解するのは簡単。意図と異なる箇所があれば、修正してOKだ。このスキルの手順通りにAIが処理を進めてくれる。なるべく具体的に指示するようにしたい。
ちなみに、初期設定だとエディターは1行表示で、画面サイズによっては文字列を表示しきれず、スクロールする必要がある。折り返し表示するなら、設定画面から[Word Wrap]をONにしよう。
続いて、資料となるテキストファイルを用意し、同じフォルダーに保存する。
ここでは、WikipediaのChatGPTに関するページをまるまるコピーし、テキストファイルに保存してみた。あとは「資料.txtをもとに原稿を作成してください」と入力するだけ。すぐにエージェントが動作し始める。
資料.txtをもとに原稿を作成してください。
少し待つと「原稿の作成が完了しました」と表示される。設定によってはOSの通知も出る。同じフォルダーに生成された「manuscript_chatgpt.txt」を開いてみると、見事にChatGPTの解説原稿が生成されていた。
今回、AIに作らせた原稿執筆スキルは必要最低限のものではある。
そこで、筆者が3年間うなぎのたれのように継ぎ足してきた原稿執筆プロンプトを「SKILL.md」に融合させてみると、こちらも見事に動作した。さらに、原稿の解説画像も自動生成してもらうようにしてみた。
文字数をバイト数で認識して半分しか生成しなかったり、JPEG画像なのに拡張子をPNGにしてしまうといったバグもあったが、そのことをチャットで指示すればすぐに修正対応してくれた。
15分ほど問答を続けると、きちんと動作するようになった。そこで今度は、WikipediaにあるGeminiの情報を渡してみたところ、しっかりとした解説記事を作成し、同時に解説画像も生成してくれた。
まずは普段行っているタスクから自動化の快適さを体感してみよう
「Skills」がステップバイステップでクリアに作業してくれるのは、たしかに通常のGeminiにまるっと投げるのとは手ごたえが違う。最新情報を検索してソースに追加するステップや校閲するステップを追加すれば、さらにクオリティを高めることが可能だ。
非エンジニアでも手軽にAIエージェントを構築し、ブラッシュアップし、業務で活用できる「Antigravity × Skills」はイチオシだ。無料で使えるのだから、ぜひ触ってみてほしい。まずは普段行っているタスクからスキル化して、自動化の快適さを体感してみよう。
著者プロフィール:柳谷 智宣
IT・ビジネス関連のライター。キャリアは26年目で、デジタルガジェットからWebサービス、コンシューマー製品からエンタープライズ製品まで幅広く手掛ける。近年はAI、SaaS、DX領域に注力している。日々、大量の原稿を執筆しており、生成AIがないと仕事をさばけない状態になっている。
・著者Webサイト:https://prof.yanagiya.biz/
















![【Amazon.co.jp限定】1冊ですべて身につくHTML & CSSとWebデザイン入門講座[第2版] (特典:「Webデザイナーのポートフォリオの作り方入門講座」データ配信) 製品画像:3位](https://m.media-amazon.com/images/I/51skMJ-OVcL._SL160_.jpg)






