やじうまの杜

「AlphaGo」が序盤の布石を解説? ~DeepMindが「AlphaGo Teaching Tool(AlphaGo 学習ツール)」を公開

囲碁近代史における布石パターンを分析し、その良否を可視化

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「AlphaGo Teaching Tool(AlphaGo 学習ツール)」

 最強のコンピューター囲碁プログラム「AlphaGo」を開発したDeepMind社が今週、新しいツール「AlphaGo Teaching Tool(AlphaGo 学習ツール)」を公開したのだそうです(Google Japanのブログ)。このツールは囲碁近代史における布石パターンを「AlphaGo」が分析し、その良否を可視化したものだそうです。

 ツールを開くと真ん中に十九路の碁盤が表示され、少し待つとその上になにやら丸印と数字が描かれます。紫の丸印は人間がよく打つ布石、緑の点線で囲まれた丸印は「AlphaGo」が次に打つ手を意味しています。数字は黒番から見た手の価値で、100に近ければ近いほど(黒番にとって)よい手という意味だそうです。

開始局面

 たとえば、右上の“星”(右上隅から見て(4,4)の地点)は“47.1”と評価されていますが、そこから一路下がった“小目”は“46.7”と評価されているのがわかります。つまり“小目”に打つよりも“星”の方が少しだけ価値が高いということになります。もっとも「AlphaGo」は“星”よりも“小目”を好むようですが。

 ちなみにごく一部の人に人気の高い“天元”(碁盤の真ん中)は“41.5”でした。囲碁は隅から地を囲う方が得だと古くから言われていますが、それには「AlphaGo」も同意してくれているようです。

 さて、このツールは碁盤にある候補手をクリックすると、その地点に着手し、次の手の候補と評価を盤面に表示してくれます。たとえば黒番が右上隅の“星”に石を置くと、盤面の評価はこのように更新されます。白番の場合は0に近いほど手の価値が高いので、下辺の“星”や左上隅の“小目”あたりがよい手のようですね。

一手目、黒番が右上隅“星”へ着手した後の盤面

 こんな感じで、だいたい25手程度まで試すことができるので、なぜそう評価されるのかを人間なりに解釈してみたり、好みの布石をコンピューターに評価してもらったりしてみても楽しいかもしれません。