やじうまの杜
「メモ帳」がLinuxの改行コードをサポート
LF/CRコードのテキストも「メモ帳」で閲覧・印刷できるように
2018年5月9日 11:35
“やじうまの杜”では、ニュース・レビューにこだわらない幅広い話題をお伝えします。
Microsoftの開発者向けイベント“Build 2018”が米国シアトルにて開催中で、今日は2日目のキーノートセッションが行われていました。新しい機械学習技術やクロスデバイス体験などがお披露目されましたが、なかでも会場を沸かせたのがこれ。
なんと「メモ帳」が改行コード“LF(0x0A)”をサポートするのだそうです。Linuxなどで作成されたテキストファイルを「メモ帳」で開くと改行が認識されず、すべて一行で表示されてしまったりしますが、こうした不便が解消されます。
改行コードというのは、テキストの“改行”を表す特殊な文字(制御文字)のこと。一般的に“キャリッジリターン(CR:0x0D)”と“ラインフィード(LF:0x0A)”の2つをいい、もともとはタイプライターで紙を移動させる装置(キャリッジ)を元に戻す(リターン)操作と、紙を一行(ライン)だけ上に送る(フィード)操作を表しているのだそうです。
どの制御文字を改行コードとして採用するかは歴史的な事情でプラットフォームごとに異なります。
- Windows(CR+LF):CRとLFの2文字で改行を表す
- Linux(LF):LFのみで改行を表す
- 古いMac(CR):CRのみで改行を表す
“行を改めて行頭へカーソルを移動させる”操作を考えるとキャリッジリターンしてラインフィードする“CR+LF”が本来の意味に忠実な気がしますが、それだけのために2文字も使うのは馬鹿らしいという考えにも一理あると思います(現在ではあまり気になりませんが、かつてはメモリもディスクもネットワークも今よりずっと貴重でした)。
さて、「メモ帳」の改善については公式ブログ“Windows Command Line Tools For Developers”で詳しく説明されていますが、それによると
- 最新の「Windows 10 Insider Preview」で試せる(編集部にてBuild 17661で確認)
- 新規作成ファイルは従来通りCR+LFコードで作成される
- LFだけでなくCRもサポートする
- ステータスバーに改行コードの種類を表示する
- 互換性に問題がある場合はレジストリを編集して元の挙動に戻せるようにする
のだそうです。Linuxで開発されたソフトのライセンスや利用許諾、設定ファイルはLFコードで書かれていることが多いですが、わざわざサードパーティ製のテキストエディターをダウンロードしなくても「メモ帳」で閲覧・印刷できるようになるのは結構うれしいですね。
そのほかにも“Build 2018”の2日目キーノートでは、“Microsoft Store”における開発者の収益が85%から95%になることなども発表されています。興味のある方は是非アーカイブを視聴してみてください。