やじうまの杜
URLがなにかおかしい……「Google Chrome 69」に加えられたある小さな変更が話題に
アドレスバーに“些細なサブドメイン”が表示されないように
2018年9月10日 15:55
“やじうまの杜”では、ニュース・レビューにこだわらない幅広い話題をお伝えします。
「Google Chrome 69」に加えられたある小さな変更が、大きな波紋を呼んでいます。
「Google Chrome 69」ではアドレスバー(オムニボックス)に“些細なサブドメイン(Trivial Subdomains)”が表示されなくなりました。“些細なサブドメイン”というのは少しわかりにくいですが、“www”や“m”などが該当するようです。たとえば、“www.google.com”の場合は“google.com”、“m.facebook.com”(Facebookのモバイルサイト)の場合は“facebook.com”と表示されます。
一見なにも問題がなさそうに見えますが、たとえば“m”さんがブログを開設して“m.example.com”というサブドメインを割り当てられたとしましょう。「Google Chrome 69」でアクセスすると“example.com”に見えてしまいます!――こうしたことが起こることはあまり考えられませんが(1文字のユーザー名なんて普通は許可しませんからね!)、あまり気持ちのいいことではありません。人によっては意図せずリダイレクトされたと勘違いされたり、サイトが改竄されたのではないかと心配する人もいるかもしれません。
また、この処理は“些細なサブドメイン”に合致した文字を削除するだけのようで、“www”や“m”がどこに現れようとお構いなしです。たとえば“sample.www.m.sample.www.m.example.com”と開くと、アドレスバーには“sample.sample.example.com”と表示されます。“URLをシンプルにしたい”というGoogleの意図に賛成する人でも、この挙動には疑問を感じるのではないでしょうか。
なお、この挙動は“chrome://flags#omnibox-ui-hide-steady-state-url-scheme-and-subdomains”にアクセスしてオプションを“Disabled”に変更すれば元の状態に戻すことができます。
また、アドレスバーにフォーカスがある状態でもう一度マウスをクリックする(つまり2回クリックする)と、サブドメインが隠される前のURL全体を見ることも可能。割り切って“そういうものだ”と思って使えば、それほど問題にはならないかもしれませんが…… HTTPSサイトを閲覧する際に表示されていた“保護された通信”ラベルが除去されるという大きな変更の陰に隠れて、とんだ変更でしたね。
9月12日編集部追記:アドレスバーの“些細なサブドメイン”を省略する仕様は、v69.0.3497.92で撤回された。