やじうまの杜
今までありがとう! Microsoftが「Easy Fix」「Fix it」ツールを廃止へ
今後はOS同梱のトラブルシューティングツールを活用しよう
2018年11月7日 06:30
“やじうまの杜”では、ニュース・レビューにこだわらない幅広い話題をお伝えします。
ちょっとした不具合を修正したり、ゼロデイ脆弱性のホットフィックスに活用されてきた「Microsoft 簡易修正ツールソリューション(Microsoft Easy Fix solution)」のサポートが終了したようです。以前は「Microsoft Fix it」と呼ばれていたもので、こちらの方が通りがよいかもしれません。現在、「Easy Fix」「Fix it」ツールをダウンロードしようとすると、サポートの終了をアナウンスするページにリダイレクトされるようになっています(一部リンク切れや依然ダウンロードが可能なものもあり)。
「Easy Fix」や「Fix it」は前述の通り、ちょっとした修正をウィザード形式でサクッと施せるツール。窓の杜でも過去にいくつかのツールを紹介してきましたが、いずれもトラブルシューティングに便利でした(多くはすでに利用不能)。
- 「Microsoft Fix it 51024」:「Internet Explorer 11」の“SSL 3.0”サポートを無効化(2014/10/30)
- 「Microsoft Fix it 51026」:OLEオブジェクトのゼロデイ脆弱性を修正(2014/10/22)
- 「Microsoft Fix it 51010」:「Microsoft Word」のゼロデイ脆弱性へ対策(2014/3/25)
- 「Microsoft Fix it 50195」:「Internet Explorer」のツールバーや設定などをリセット(2013/4/15)
- 「Microsoft Fix it 51007」:「Internet Explorer 9」および「Internet Explorer 10」に存在するゼロデイ脆弱性を暫定修正(2014/2/20)
- 「Microsoft Fix it 51004」:「Microsoft Graphics Component」のゼロデイ脆弱性に対策(2013/11/6)
- 「Microsoft Fix it 50906」:Windows Vista/7に搭載されているWindows サイドバーおよびガジェット機能を無効化(2012/07/12)
- 「診断ツール Fix it : パソコンが重い、パソコンの動作が遅い問題」:Windowsの動作を重くする可能性のある原因を診断・修復(2011/07/07)
サポートドキュメントには廃止の理由が書かれていませんが、おそらく依存関係(特定の処理を行うために別のアプリやライブラリ、オプションが必要になるといった関係)を管理するのが難しく、意図しない不具合を連鎖的に行う必要があるからでしょう。正式な修正プログラムを適用するために「Fix it」ツールで行った設定を元に戻す必要があることも少なくありませんでしたが、それを律儀に行うユーザーはそれほど多くはなかったはずです。たいていの場合は大きな問題にはなりませんが、深刻なトラブルにつながる可能性は否定できません。
同社は今後、トラブルシューティングツールの充実で「Easy Fix」や「Fix it」の代替としていく考えのようです。Windows 10の場合、「設定」アプリの[更新とセキュリティ]-[トラブルシューティング]セクションより各種トラブルシューティングツールへアクセス可能です。