やじうまの杜

「CrystalDiskInfo」の次期バージョン、開発始動。Webhook対応でTeams・Slackとも連携可能に?

Windowsサービス化とコア機能のDLL分離により設計を全面刷新

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「CrystalDiskInfo 8 Shizuku Edition」。雫ちゃん、「アキバで見かけた萌えキャラコンテスト 2020」1位おめでとう!

 ディスクドライブの健康状態をチェックする常駐ツールとしてすっかり定番となった「CrystalDiskInfo」。公式キャラクター“水晶雫”も僚誌AKIBA PC Hotline!が毎年開催している「アキバで見かけた萌えキャラコンテスト 2020」で堂々の1位を獲得するなど大人気です。そんな「CrystalDiskInfo」ですが、次期バージョン「CrystalDiskInfo 9 -Rugenia-」の開発がすでに始まっている模様。

 「CrystalDiskInfo 9」では全面的な刷新が計画されており、とくに世界中から要望が寄せられているWindowsサービス化とコア機能のDLL分離に取り組むとのこと。また、注目の機能として“Webhook”がサポートされます。

「CrystalDiskInfo 9」では全面的な刷新が計画中

 “Webhook”は、ユーザー定義のHTTPコールバックです。一般のWeb APIは情報を取得・変更するためにAPIを“呼ぶ”(叩く)仕組みになっており、情報をリアルタイムで取得するには定期的にAPIを呼ぶ“ポーリング”という処理を記述しなければなりません。でも、低い頻度(たとえば数日に1回とか)でしか変わらないデータの場合、秒間何回のペースでAPIを呼ぶのは無駄ですよね。ポーリングの間隔を広げれば無駄は減りますが、その分リアルタイム性は失われてしまいます。たとえば10分に1回APIを呼ぶことにしたとき、APIを呼んだ直後にデータが変更されてしまうと、そのことを検知するのに次回のポーリングまで10分ほど待たなければなりません。

 その点、“Webhook”ならば“何かあったときに何かする”という処理がスマートに書けます。データが変わったとき(イベント)に通知するといった処理(コールバック)を記述しておけば、通信が発生するのはイベントが発生した時だけなので、一般的なWeb APIよりも効率的。そのため、チャットツールのBOTなどにもよく使われています。

 話が少し長くなりましたが、つまり、「CrystalDiskInfo」が“Webhook”に対応すれば、ディスクドライブの異常を検知した時にSNSやメッセージングアプリに投稿できるようになります。作者・ひよひよ氏の“Twitter”によれば、「Microsoft Teams」や「Slack」との連携が一通り実装中の模様。現行版でもメール通知などは可能ですが、「Teams」や「Slack」と連携できれば用途が一気に広がりますよね。

 また、WebサービスやIoT機器と連携して“~したら~する”処理を簡単に記述できる「IFTTT」にも対応するそうなので、もしかしたらディスクエラーで派手に警告灯を回し、サイレンを鳴らすことだってできるかもしれません――まぁ、そうやって遊んでると、かえってディスクエラーがなかなか起きずに悲しい思いをしたりするのですが。

“Crystal”シリーズの今後の開発計画

 「CrystalDiskInfo 9」は公式サイト“Crystal Dew World”の23周年に合わせ、11月20日の正式リリースが予定されています。それまでに開発版がテスト公開されるはずですので、興味のある方はぜひ参加していただければと思います。